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人口が減る街に「イオンモール」は必要か 日本の経済予測が”大甘”になりがちな理由:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
消滅可能性自治体にイオンモールがオープン、人口減少が進む地域に地下鉄延伸、タワマン建設など、なぜこのような計画が各地で起きているのか。もし黒字化できなかった場合、ツケを払うのは……。
ボールパークがある北海道北広島市の事例
例えば、プロ野球ファンにはおなじみの「エスコンフィールドHOKKAIDO」というボールパークが北海道北広島市にある。飲食店やホテル、温泉もある複合施設に多くの人が訪れているのは、ご承知の通りだ。
そんな地域活性化の起爆剤の誘致に関して、市長がかなり力を入れて、2018年から土地の無償提供や固定資産税の減免をはじめ、インフラ整備、新駅の建設などさまざまな支援を行ってきた。「ボールパークは新住民を呼ぶ看板」(2025年9月30日 東洋経済オンライン)という信念があるからだ。
確かに「スポーツの力で街おこし」という考え方は、日本人が好きそうな「サクセスストーリー」ではあるのだが、残念ながら現実は厳しい。
エスコンフィールドが開業したのは2023年3月。その前後にあたる2022年から2024年の人口推移を見ると、それまでと人口減少率はほとんど変わらない。むしろ、開業してからのほうが減少率が上がっている。
冷静に考えれば当然だ。札幌駅からエスコンフィールドのある北広島駅までは快速で約16分。札幌市内から自家用車で向かっても1時間以内で到着できる。
熱心なプロ野球ファン、日本ハムのファンならば「本拠地に引っ越して毎日、エスコンフィールドに通いたい」という人もいるだろうが、それ以外の多くの人にとっては「野球観戦やレジャーに訪れる街」でしかないのである。
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