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衆院選の目玉「食品消費税ゼロ」が生む、「勝ち組企業」と「負け組企業」の実態とは(2/2 ページ)

衆議院選挙を目前に控え、与野党が競うように掲げるのが「食品の消費税ゼロ」政策だ。特定の企業にとっては“特需”になる一方で、中小企業や地方企業にとっては、リスクとなる可能性も秘めている。

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「地方建設業」「中小飲食店」は苦境に……

 一方で、この政策の負の側面を最も強く受けるのが、建設・土木業界、とりわけ地方の建設業者である。

 今回の消費税減税による減収効果は、自民党高市内閣が提示している公約ベースで年間約4.8兆円と試算される。消費税は約2割が地方税として整理されている。減収額のうち1兆円程度が、地方交付税交付金の原資を縮小する形で、地方財政を直撃する可能性が高い。


大和総研の発表より

 過去の事例が示す通り、財政難に陥った自治体ほど、投資的経費である公共事業費を優先的に削減している。公共事業は地方経済において雇用の受け皿となっている側面もあり、地方建設業の苦境は地方経済そのものの苦境にも直結しうる。

 近年では、2024年に発生した八潮の道路陥没事故を発端に、全国各地でインフラの老朽化対策が課題となっている。時限措置が終わる2年間、公共投資を先送りないしは凍結せざるを得ない状況に追い込まれれば、建設業者への逆風が地域住民の安全問題に発展する可能性がある。

 他にも、飲食店への影響も見逃せない。食材仕入れにかかる消費税コストが還付される点で恩恵を受ける側面はあるものの、外食サービスそのものには引き続き10%の消費税がかかる見込みだ。これにより「中食・自炊」(0%)と「外食」(10%)の価格差が拡大し、消費者の「外食控え」が加速する恐れがある。全体で見れば、安さをウリにする中小零細の飲食店を中心に淘汰が進む可能性があるだろう。

 食品税率ゼロ化は、一見すると徳政令のような家計に優しい政策に思われる。だが、IT業界や食品メーカーが享受する特需や収益改善は、結局のところ、赤字国債を利用した将来世代への負担繰り越しに発展する可能性も秘めているのだ。

 「食費が安くなる」という目先のメリットだけでなく、その裏側で進行する地方財政のひっ迫や、中小事業者の淘汰という構造的な痛みを直視する必要があるだろう。

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