原付はもはや「足枷」か…… 規制強化を受けてバイクメーカー各社が新規開発に消極的なワケ(3/3 ページ)
排ガス規制が強化され、原付に大きな逆風となっている。これを受けて、メーカー各社も開発を縮小させているようだ
ホンダ以外のメーカーは消極的?
50cc以下の生産終了に合わせ、ホンダは2025年11月に「Dio110 Lite」を発売した。海外にも展開するDio110の出力を抑えたバージョンだ。メーカー希望小売価格は23万9800円で、旧原付一種並みに抑えた。国内の販売計画台数は9000台である。
1950年代から販売するカブ系統では、新基準原付に適用する3車種も発売。排気量はいずれも109ccで、メーカー希望小売価格は35万〜40万円ほど。デザインはいずれもカブらしい、レトロな見た目だ。50cc以下の原付と比較して全体的なサイズが大きく、走行安定性などを評価する意見がある。国内の販売計画台数は6500台だ。原付一種にしては高価格帯であるため、価格がネックになるかもしれない。
ヤマハは詳細を公表していないが、台湾など海外で展開し、国内では原付二種として販売する「ジョグ125」に出力の制限をかけて生産する予定だ。ジョグ125の現行品は124ccだが、最高出力は6.1kWと新基準の4.0kW以下を上回る。価格も26万7300円であり、新機種は同程度かそれ以下になる可能性が高い。
スズキは現在でも50cc以下の原付一種を販売しているが、既に生産は終了している。125cc以下の原付二種も生産しているものの、新基準に対応する車両はなく、現時点で新車種の発売は公表されていない。大排気量を得意とするカワサキはそもそも50cc以下の原付一種をほぼ生産しておらず、新車種を販売する可能性は低い。こうして並べると、原付一種でシェアの約半分を握るホンダの積極的な姿勢がうかがえる。
メーカーが法改正を求めたのは、原付一種の販売台数が少なく、新規制に対応するための開発費が見合わないためである。市場縮小によりガラパゴス化した原付一種の生産はメーカーにとって足枷となった。
行政によるガラパゴス規制は自動車・携帯電話などさまざまな分野で世界標準との乖離(かいり)を生み出してきた。多くの製造業は海外事業に主軸を移している。世界標準に合わせる形で、今後も同様の法改正が相次ぐかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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