AIエージェントを自治体業務で使いこなすには? エージェントスキルで“業務手順書”作ってみた(2/4 ページ)
自律的に仕事を進めるAIエージェントは注目を集めてきたが、実業務でどのように役立つのかは分かりにくかった。しかし近年、役割や使い方が整理され「エージェントスキル」を用いることで、自治体業務への活用も現実味を増している。
AIに仕事を任せるための「エージェントスキル」
では、実際にエージェントスキルがどのようなものか紹介します。
エージェントスキルとは、AIに特定の仕事を任せるための「指示書セット」です。人に仕事を頼むときと同じで、AIに「何をしてほしいのか」「どういう手順でやるのか」「参考にしていい資料は何か」を、あらかじめまとめて渡しておきます。
これらをセットにしたものが、エージェントスキルです。
エージェントスキルは、1つの仕事につき1つのフォルダ(箱)で管理します。フォルダの中身は、例えば次のようになります。
- スキルの名前
- 仕事の内容を説明した文書
- 必要に応じて使う道具(プログラム)
- 参考資料
- 具体的な実行例
- テンプレートやデータ
これを少し専門的に「仕組みのイメージ」として表すと、下記のようになります。
<skill-name>/ # スキル名(例:pdf-parser, document-generator) ├── SKILL.md # 必須:スキルの定義、設定、指示(後述する所定の形式) ├── scripts/ # 任意:タスクを実行するスクリプト(プログラムコード) ├── references/ # 任意:参照ドキュメント ├── examples/ # 任意:実行例 └── assets/ # 任意:テンプレート、データ
このフォルダの中に、スキルを実行させるための材料が全て詰め込まれていると考えてください。つまり、この一式をAIに渡せば「この仕事は、これを読んで、このやり方で進めてください」と一通り伝えられるという設計です。
中でも鍵となるのが「SKILL.md」というファイルです。従来はAIに対して、その場その場で入力していた「プロンプト」を、このファイルにまとめて書いておきます。要するに、SKILL.mdは「この仕事は、こういう考え方で、こういう順番で進めてください」という業務マニュアルを、AI向けに書き直したものだと考えると分かりやすいでしょう。
SKILL.mdは、特別なプログラミング知識がなくても書けます。使うのは「Markdown」(マークダウン)という形式ですが、これは難しいものではありません。Markdownとは文章の中のどこが「見出し」や「箇条書き」なのか分かるように、ちょっとした記号を付けるルールです。
例を挙げると、見出しは「#」、箇条書きの場合は「-」を頭に付けるなど、記号を使うことで文章の構造を分かりやすく表現します。
Markdown形式で内容を記述した上で、SKILL.mdの一番上には、そのスキルの基本情報をまとめた「表紙」のような部分を書きます。
例えば、次のような形です。
--- name: document-generator description: 既存ファイルを参照して新規ドキュメントを対話的に生成するスキル license: MIT compatibility: gpts ---
「name」には、スキルの名前(フォルダと同じ名前)を書きます。最大64文字で、アルファベットの小文字、ハイフンだけが使えます。
「description」では、「このスキルは何をするものか」を説明します。最大1024文字です。
「license」と「compatibility」は書かなくても問題ありませんが「どんな条件で使ってよいか」「どのAIサービスで使う想定か」といった補足情報になります。
この「表紙」の下に、従来プロンプトとして書いていた指示文をMarkdown形式で書いていきます。
「自分で書くのは難しい」と感じたら、このSKILL.md自体を生成AIに書かせてしまっても構いません。また、AIに必ず参照してほしい文書や決まった形で出力させたいテンプレートがある場合は、それらも同じ箱(フォルダ)の中に入れておきます。文章はテキスト形式が望ましいですが、PDFやWordファイルを入れることも可能です。
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