AIエージェントを自治体業務で使いこなすには? エージェントスキルで“業務手順書”作ってみた(3/4 ページ)
自律的に仕事を進めるAIエージェントは注目を集めてきたが、実業務でどのように役立つのかは分かりにくかった。しかし近年、役割や使い方が整理され「エージェントスキル」を用いることで、自治体業務への活用も現実味を増している。
“プロンプトのコピペ”との違いは?
エージェントスキルについて説明しましたが、ここまでの説明だと、さまざまなプロンプトを用意しておいて、それらを従来の生成AIにコピー&ペーストしても目的の処理をさせることができそうです。
では、なぜエージェントスキルが注目されているのでしょうか? それは、このスキルの呼び出し方が特徴的だからです。
エージェントスキルは「段階的情報開示」という方法で動作します。これは、人間が必要な資料だけをその都度参照しながら仕事を進めるのと同じ考え方です。
具体的には、AIエージェントが起動するタイミングで、それぞれのスキルの見出し(nameとdescription)だけをあらかじめ読み込んでおく仕組みになっています。
そして、AIエージェントが「この作業に関連する」と判断したときに、改めてスキルフォルダの中のSKILL.md本文や関連ファイルを追加で読み込みます。
さらに、SKILL.md内で別に用意したファイル(ドキュメントやデータ)を参照し、必要に応じてそれを追加で読み込むことができます。
また、スキルにはPythonなどのプログラムコードも含めることができ、必要なタイミングでそのプログラムコードを動作させることもできます。
AIエージェントの中では従来の生成AIの仕組みが動作しています。生成AIは一度に読み込めるデータ(コンテキスト)の大きさに上限があり、複雑な作業をAIに任せようとすると容量オーバーになってしまいます。しかし、段階的情報開示の仕組みならば、それらを全て読み込まずとも、必要な情報だけを取り出して利用することができるのです。
さらに、どのスキルを読み込んで実行するかの選択は、AIエージェント自身が判断します。こうした自律的な意思決定によって目的を達成するプロセス全体を担う仕組みこそが、エージェントスキルの特徴です。
この仕組みは、AIエージェントを利用する現場の職員やシステム管理者にとっても大きなメリットがあります。自身の業務に必要なスキルを自ら作成し、必要に応じて入れ替えや追加ができるため、新たな処理ルールや地域固有の文書作成フローにも、ニーズの変化に合わせて柔軟に対応・拡張できます。
その結果、AIの活用範囲が一層広がり、現場主導の業務改革(デジタル変革)も促進されます。
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