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「いきなり!ステーキ」は本当に敗北したのか? 「やっぱりステーキ」と“コスパ神話”の行方スピン経済の歩き方(6/6 ページ)

値上げに踏み切る「いきなり!ステーキ」と、コスパを維持した「やっぱりステーキ」。明暗が分かれたような報道もあったが、実際はどうか。売り上げや店舗数を見てみると……。

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グローバル人材の採用を進める「あさくま」

 あさくまは、外国人を店長候補として積極的に採用し、長く働けるよう在留資格の取得を支援するほか、里帰り費用の支給も検討している。安価な労働力として囲い込むのではなく、長期雇用を前提に処遇や生活基盤を整える。その姿勢は「安さを守るために人件費を削る」という発想とは、明らかに異なる。


2025年7月、名古屋・大須にオープンしたカレー専門店「カレーのあさくま」(出典:あさくまのプレスリリース、以下同)

 時代の先読みが得意なこのステーキチェーンが、いま進めているのは「牛すじカレー」を提供するカレー専門店「カレーのあさくま」だ。「牛すじカレー」は、ステーキの仕込みで出る牛すじを使い、約6時間煮込んでつくるということで、他のカレー屋と一線を画する。原価が安いから使うのではなく、時間と手間をかけるからこそ価値が出るメニューともいえる。

 この新たな「価値」を外国人観光客などが多く訪れる繁華街で訴求することで、「ステーキあさくま」への送客も狙っているという。


牛すじカレー(780円)

 いまの消費者はコスパやタイパを重視する、というニュースがあふれているので、とにかく「安さ」や「お得」を追い求めるビジネスパーソンも少なくないだろう。しかし円安とインフレが進行していくこれからの日本で、そうした戦略を取ることは、「安さ」のために自ら大量の血を流してフラフラになるような「消耗戦」に突っ込んでいくだけだ。

 「安さ」を提供できない者は苦境に立たされる――。そんな恐怖訴求型の経済ニュースに惑わされることなく、商品やサービスの「価値向上」にこそ、心血を注いでいただきたい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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