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SaaSは全滅しない、だが半減はする──生き残りたい事業者は知るべき、「買い手」の本音(2/4 ページ)

米国で「SaaS is Dead」(SaaSの死)が叫ばれ、米セールスフォースなど大手4社の時価総額が、2025年末からわずか1カ月で15兆円消失しました。「SaaSは死ぬのか?」。筆者の答えは明快です。全滅はしない。だが、半減する。生き残るためには、顧客(買い手)側で今何が起きているかを知る必要があります。

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DXすら進められなかった企業が、なぜ動くのか

 「旧態依然とした国内企業が、こんな不確実なテクノロジーに本気で取り組むのか?」。そう疑問に思う方もいるでしょう。DXさえまともに進められなかった企業が、本当に変わるのかと。

 確かに、懸念を挙げればキリがありません。リスクはないのか、社内のルールと整合するのか、既存のビジネスモデルに悪影響はないのか。それでも動く理由は単純で、「人の問題」と「ROI」に直結するからです。

 人手不足、人件費高騰、属人化。これらは多くの企業にとって、経営課題の最上位にあります。AIエージェントの提案は、この課題を直接解決します。業務の体制とコストを比較したのが以下の表です。AIエージェントを導入することで浮いた9人分のコストは、人間にしかできない業務に振り向けられます。

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従来の体制・コストと改革後の体制・コスト。浮いた人件費は、人間にしかできない業務に振り向ける(著者作成)

 新規事業に大きく張って不確実なリターンを狙うよりも、人件費といったコストや属人的なワークフローから脱却するほうが確実です。むしろ「確からしさの高い選択肢」として受け止められているというのが、筆者の実感です。

「ソフトウェアであること」に、もはや価値はない

 SaaSの存在意義を考えるために、2010年代にSaaSが拡大した理由を振り返ります。当時の比較相手は、紙や人海戦術、使い勝手の悪いレガシーシステムでした。「ソフトウェアであること」、それ自体が価値だった時代です。

 今、その前提が崩れています。LLMの登場で開発の敷居は大きく下がり、ツールは増え続けている。「ソフトウェアであること」は、コモディティ化しつつあります。買い手のOSが「成果を買う」方向にアップデートされた結果、SaaSに突きつけられる問いはシンプルになりました。「うちのP/L(損益計算書)はいくら改善するの?」「何が解決できるの?」という点です。

 「業務効率がちょっと上がります」では、もう選ばれません。生き残れるのは、次のどちらかを明確に示せるサービスだけです。

  • 人件費を数字で削減できること:導入前後のP/Lインパクトが可視化できるか
  • これがないと業務が回らないこと:顧客の組織OSに不可欠な「コンポーネント」になっているか

 もっと言うと、SaaSの生死を分けるのは、機能の良し悪しではなく、顧客の成功にどこまでコミットできるかです。正直なところ、顧客の成功に関与できているSaaSはそう多くないでしょう。

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