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SaaSは全滅しない、だが半減はする──生き残りたい事業者は知るべき、「買い手」の本音(4/4 ページ)

米国で「SaaS is Dead」(SaaSの死)が叫ばれ、米セールスフォースなど大手4社の時価総額が、2025年末からわずか1カ月で15兆円消失しました。「SaaSは死ぬのか?」。筆者の答えは明快です。全滅はしない。だが、半減する。生き残るためには、顧客(買い手)側で今何が起きているかを知る必要があります。

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SaaSの生死を決めるのは顧客

 ここまでの論点を表にまとめます。

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従来のSaaSと2026年以降のネクストモデル(筆者作成)

 SaaSの未来を決めるのは、売り手ではなく買い手です。

 買い手の組織OSはすでにアップデートが始まっています。その新しいOSの中で、自社のSaaSが不可欠なコンポーネントとして組み込まれるか。それとも、アップデートとともに不要になるのか。

 冒頭で触れたとおり、AIエージェントは全体プロセス(指揮系統)を掌握したあと、「既存SaaSとの連携」から「垂直統合」へと進化していきます。独自のデータベースや機能が競争優位だと思っていても、その優位性すらAIによって早晩乗り越えられるでしょう。猶予は、おそらく5年もありません。

 画一的なソフトウェア提供にこだわり続けて、顧客への提供価値や成果をみすみす見失ってしまうのは、思考停止するのと同じです。大切なのは売り手の視点ではなく、買い手の視点。SaaS事業者が向き合うべきは、ただ一つの問いに尽きます。

 「顧客の成功に、本気でコミットしているか?」

 その先には、コンサル・BPO・AIベンダーという新たな競争相手が待っています。この状況をリスクと見るか、フロンティアと見るかは企業によって見解が異なるでしょう。ただ個人的には、LLMやAIエージェントが登場したことで、これまで解決できなかった顧客課題を解決し、新しい市場が生まれるこのシチュエーションを楽しまないと損だと考えています。

細野雄紀氏のプロフィール:

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株式会社価値共創X 代表取締役。株式会社JX通信社の取締役としてCOOやCXOを歴任。報道機関向けのSaaSを立ち上げ、マーケットシェアの80%超を獲得。2025年1月にイノベーション支援カンパニーの株式会社価値共創X(kachix.co.jp)を設立。その他、AIエージェント企業でLLM時代のCX設計、JTC企業でアドバイザーを務める。NHK、日本テレビ、フジテレビなどメディア出演多数。


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