「パンチくん動画」はなぜバズったのか? IKEAで品切れ続出、150億ドルのぬいぐるみ市場:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
市川市動植物園の小ザル・パンチくんの動画をきっかけに、IKEAのオランウータンのぬいぐるみが売れている。右肩上がりのぬいぐるみ業界だが、これまでのSNSマーケティングと異なるのは……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「パンチくん動画」がバズっている。
ご存じない方のために説明すると、パンチくんとは千葉県の市川市動植物園にいる生後6カ月の子ザルのことだ。母親が育児放棄をしてしまったことで飼育員によって育てられていたのだが、子ザルのうちは母ザルに抱き付くことで安心感を得たり、体を鍛えたりする必要がある。
そこで飼育員が「母ザル代わり」にさまざまなぬいぐるみを与えたところ、パンチくんが最も気に入ったのが、IKEAのオランウータンのぬいぐるみだった。
IKEAに行ったことがある人なら、一度は見かけたことがあるはずだ。「DJUNGELSKOG(ジュンゲルスコグ)」シリーズのぬいぐるみは高さ36センチで、本物のオランウータンのようにぶら下がることもできる。オンラインストアで、1499円で販売されている(現在は品切れ中)。
そんな「オランウータンママ」を小さな体で引っ張ったり、他のサルに威嚇された後にしがみついたりするパンチくんの姿に、「健気に生きる姿に涙が出た」「幸せになってほしい」という声がSNSで多く寄せられており、その反響は、海外メディアでも取り上げられるほど広がっている。
さて、このような話を聞くと「世界中で暗いニュースが多い中、ほっこりする話が求められているのだな」と温かい気持ちになる人も多いだろう。 しかし、経済ニュースに敏感な投資家や、新しいアイデアを探すビジネスパーソンは、少し違う反応をしているはずだ。
今回の大バズりは、近年急成長を遂げ、「投資の神様」も注目している“あるマーケット”がさらに広がっていくことを予感させるものだからだ。
それは「ぬいぐるみ」市場である。
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