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大阪・ミナミの劇場文化を破壊したインバウンド激増 地価高騰と消えゆくエンタメの灯火(2/3 ページ)

大衆文化の発信地とされてきた大阪・ミナミの存在感が薄れている。インバウンド激増による地価高騰や娯楽の多様化などを背景に、特色ある文化を育んできた劇場やエンターテインメント施設の閉鎖が相次いでいるためだ。

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産経新聞

 道頓堀は劇場街として知られたが、山根さんは「過去30年ほどの間で、劇場の閉鎖や移転が急激に進んだ」と振り返る。大阪で発展した上方芸能の拠点だった「トリイホール」は20年に閉館。「道頓堀ZAZA」は24年、大阪を象徴する通天閣がある新世界に移転した。ほかにも、多くの劇場が閉館したり、他地域に移転したりした。

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インバウンドでにぎわう大阪ミナミの道頓堀周辺=2024年8月29日、大阪市中央区(二星昭子撮影)

 背景にあるのは演劇単体の収益率の低さだ。山根さんは「一度の撮影で何度も上映できる映画などと違い、演劇は原則、来館した人しか楽しめない。運営は割高で、収益率が低い」と説明する。

 さらに、インバウンドの大幅な増加で地価が上昇し、劇場よりもホテルやドラッグストアの方が高収益をあげられるとの見方が強い。山根さん自身も、道頓堀で劇場文化を紹介する演芸場兼ミュージアムを運営しているが、「同じ建物に宿泊施設を作っていて、その収益で維持している」のが現状だという。

 一方、地域の特性を生かし、劇場運営に成功しているケースもある。道頓堀にほど近い日本橋で、ホビー店「ジャングル」を経営する塩田浩司さんが手がける小劇場「インディペンデントシアター」が好例だ。

 ジャングルではもともと、アニメや特撮などの映像ソフトを扱ってきたが、00年に店舗だったビル1階を劇場に改装。特撮作品に出演する俳優らを呼び、トークショーなどを始めたのがきっかけで、その後劇団による演劇の上演も始めた。

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