インタビュー
“絶滅危惧”の屋上遊園地、数億円かけて再生 松坂屋名古屋異例の挑戦、成果は?:地域経済の底力(4/4 ページ)
屋上遊園地のリニューアルを行った松坂屋名古屋店。その効果は?
百貨店の本来の意味を見つめ直す
今後も多種多様なイベントを打ち出す方針だが、屋上遊園地全体の売り上げをさらに2倍、3倍と伸ばしていくことは現実的ではないという。そのためには遊具の数を増やすか、高額な遊具を設置しなければならないからだ。「それよりも、百貨店における余白エリアとして、快適な空間を維持していくことを優先する」と池田氏は述べる。
この場所を体験した子どもが、将来自分の子どもを連れて来るようになれば、屋上遊園地の文化が継承される。松坂屋名古屋店は、目先の収益を追うのではなく、長期的な顧客との絆やブランド価値の向上に投資する道を選んだ。
絶滅危惧種となった百貨店の屋上遊園地。そこに数億円を投じて再生させた松坂屋名古屋店の異例の判断は、「百貨店での滞在」という本来の購買行動を取り戻すという、より大きな成果を生み出しつつある(前編を読む)。
著者プロフィール
伏見学(ふしみ まなぶ)
フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
懐かしの「屋上遊園地」、なぜ今復活? 松坂屋の“逆張り戦略”
屋上遊園地が相次いで閉鎖される中、あえてリニューアルを行った松坂屋名古屋店。その狙いは何なのか。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
「ヨーカドーのポッポ」はまだ生きている――“昭和の軽食処”のさりげない進化
ピーク時の145店舗から24店舗に縮小したフードチェーン「ポッポ」だが、実は着実に売り上げを伸ばしている。その戦略に迫った。
宮古島“観光バブル”の代償──倍増した家賃、住めなくなる地元民……変わりゆく現実
観光客が急増し、経済効果に沸く宮古島。しかしその裏では、人手不足や住宅難、地価高騰といった深刻な問題が島を覆う。急成長の光と影に迫る現地ルポ。
“インバウン丼”と呼ばないで――1杯1万円超の海鮮丼が話題の豊洲「千客万来」、運営企業が漏らした本音
メディアによる切り取った報道に、現地は困惑しているようだ。

