インタビュー
「ヨーカドーのポッポ」はまだ生きている――“昭和の軽食処”のさりげない進化(1/6 ページ)
ピーク時の145店舗から24店舗に縮小したフードチェーン「ポッポ」だが、実は着実に売り上げを伸ばしている。その戦略に迫った。
今年で開業50年を迎えるイトーヨーカドーのファストフードチェーン「ポッポ」。ピーク時の145店舗から24店舗まで縮小したが、実は既存店の売り上げは4年連続で増加している。地域に根ざした運営と新商品開発で事業を成長させるポッポの取り組みについて、イトーヨーカ堂 専門店事業部 事業推進部マネジャーの渡辺隼人氏と、ポッポ木場店の池田晃店長に話を聞いた。
原点は「休憩所」だった
ポッポの歴史は1976年、埼玉県越谷市のイトーヨーカドーせんげん台店から始まった。当時は2〜3坪の小さな店舗で、たい焼きやジュース、カップ入りのハードアイスのみを販売していた。
「最初は今ほど店が大きくなく、商品も少なかったのですが、それはお客さまがイトーヨーカドーで買い物をして、“休憩する場所”だったことが理由です。高速道路でいうパーキングエリアのような役割として生まれたのが、ポッポなのです」と、渡辺氏は開業の背景を説明する。
現在のスタイルが確立されたのは1978年頃。同じイトーヨーカ堂の子会社だったファミールがレストラン業態に専念することになったのがきっかけだ。イトーヨーカドー内の空いたスペースを活用して、ラーメンやたこ焼きといった調理メニューを追加していったことが、現在のポッポの原型となった。戦略的な拡張というよりも、偶然に生まれた業態だったのである。
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