紙の試験からの脱却 教育現場の業務負荷を軽減する方法
試験業務は教職員にとって大きな負担の一つだ。問題の作成、印刷、採点といったアナログ業務は、本来最も優先されるべき「生徒と向き合う時間」を確実に奪っている。こうした状況を打破し、新たな試験形式にも対応する「試験専用デバイス」が注目を集めている。
教育現場で行われる試験は、生徒の成長を測る重要な指標だ。しかし裏側では、教職員がアナログ作業に悲鳴を上げている。膨大な試験業務は、教職員が最も時間を割くべき「生徒と向き合う時間」を確実に圧迫している。
試験の在り方も大きく変化した。英語教育は、4技能(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)の多角的な能力の評価が重視されるようになった。カンニング行為の巧妙化や替え玉受験など、試験の公正性を脅かす問題も年々深刻化している。
PCやタブレットを使ったデジタル試験も増えているが、運営には予期せぬトラブルへの対応が不可欠だ。試験会場のネットワークが不安定になった場合、早急に手を打てるだろうか。ITの専門家ではない教職員にとって容易ではなく、精神的にも重い負担になる。
試験の概念を刷新する「TCS iON PAPER」
こうした課題を解決するソリューションが、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)の「TCS iON PAPER」だ。「試験専用デバイス」を掲げる同製品は、試験のプロセス全体をデジタル化して教職員の負担を軽減する。既に、大手予備校や試験団体などで5年以上の使用実績がある。
最大の特徴は、Wi-Fi環境に依存しないデータ通信で試験問題を配布できることだ。独自の特許技術によるもので、日本TCSのS・スディーンドラ氏は、「先生が、試験開始直前に自分のデバイスから生徒のデバイスに問題用紙を送信すると、デバイス同士が連鎖反応的にコンテンツを受け渡します。先生が直接配布したり生徒が後方の席に回したりせず配布できるため、枚数ミスや不正行為を防げます」と説明する。
同社の渡部達郎氏は、運用の柔軟性を強調する。「全ての試験会場にWi-Fi環境があるとは限りません。このデバイスがあれば、一般の教室の他、貸し会議室や公民館など、場所を選ばず安定したデジタル試験を実施できます」
試験開始直前に問題を一斉配信し、終了と同時に答案を回収する。このスピード感と安定性は、情報の漏えいリスクを最小限に抑えることにも直結している。
AI採点で工数を最大70%削減
特筆すべきは、多様な試験形式に対応できる点だ。日本TCSの永田次郎氏は「TCS iON PAPERなら、1台でさまざまな形式のテストを実施できます」と続ける。
「受験者のデバイスに問題用紙を送付して、紙の解答用紙を別途配るという使い方も可能です。受験者が試験終了時にデバイスのカメラで解答用紙をスキャンして提出すれば、解答をデジタルデータとして管理できます」
試験後の業務効率化も期待できる。スディーンドラ氏によれば、採点や集計作業の工数を最大で70%削減できるという。それを支えるのが、AIを活用した採点支援ツール「TCS iON Automarking」だ。手書き文字や音声、動画などの形式に対応し、公正かつ迅速な採点を可能にする。採点スピードの迅速化によって、採点結果を速やかに提示できる点もメリットだ。
不正行為を防止する機能も充実している。デバイスのカメラを用いた顔認証機能によって替え玉受験を防止できる。出題の順番を受験者ごとに入れ替えるなど、カンニング対策を施すことも可能だ。公平性の高い試験環境を構築できれば、保護者や受験者の安心にもつながるはずだ。
安定稼働にこだわりLenovo製品を選定
ハードウェアには、Lenovoのタブレットを採用した。
「堅牢(けんろう)な品質やオフライン試験技術との互換性、アフターサービスの充実など多岐にわたる観点から検討を重ね、Lenovo製品を選びました」(スディーンドラ氏)
特に重視したのがバッテリーの信頼性だ。渡部氏は「Lenovoのタブレットは長時間のバッテリー駆動が可能で、試験中にバッテリーが切れるリスクを低減します」と話す。
日本TCSのデジタル技術とレノボのハードウェアが融合したTCS iON PAPERは、教育現場のDXに貢献する。試験のデジタル化が進めば、登校が困難な生徒に試験の機会を提供できるようになる。教職員の負担も軽減され、より良質な指導環境の構築にもつながるはずだ。
生徒、教職員、保護者。さまざまなステークホルダーがより良い環境で学びと向き合える社会を作りたい。日本TCSが見据える未来は、誰もが質の高い学びを享受できる豊かな教育環境の実現に直結している。
(左から)日本TCSのS・スディーンドラ氏(TCS iON エデュケーション インターナショナル デリバリーマネージャー)、渡部達郎氏(教育事業本部 TCS iON日本事業部 ビジネスリレーションシップマネージャー)、永田次郎氏(教育事業本部 TCS iON日本事業部 部長)
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