“コンビニ書店化”はなぜ広がらなかったのか 本を売るほど「本離れ」が進む理由:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
2019年の記事で、「コンビニの書店強化」が既存の書店にも悪影響を及ぼすと予想していた筆者。約7年経ち、その状況はどうなっているかというと……。
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スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
斜陽産業だとか、「消えゆく」などと言われ続けてきた「書店」が、ついに1万店を割った。最盛期の約4割まで減少したという。
- 全国の書店1万店割れ、紙の出版市場の不振やネット書店の伸長で…ピーク時の4割余り(読売新聞オンライン 2026年6月7日)
今や、本もマンガもスマホで読むのが当たり前。オーディオブックも普及し、電車の中で本を読んでいる人を見かけると「へえ、今どき古風な人がいるなあ」と感じてしまうほど、紙の本を読む習慣そのものが薄れつつある。
もちろん、出版社、書店、取次などはただ指をくわえて見ていたわけではなく、「紙の本」復権に向けて、涙ぐましい努力を続けてきた。中でも今から7年前、「本離れ」に歯止めをかける救世主として期待されていたのが「コンビニ書店化プロジェクト」である。
- コンビニ、「読者」呼び込む 新書創刊/書棚を設置/書店一体型店舗(産経ニュース 2019年11月21日)
当時、大手コンビニ3社では書籍販売に力を入れており、セブン-イレブンは同店でしか購入できないオリジナル新書(セブン&アイ出版)を創刊、ローソンやファミマも書籍棚の拡大や書店一体型店舗を増やしていた。書店の約5倍に当たるコンビニ網をうまく活用すれば、新たな「読者」を呼び込むことができ、出版業界も活気を取り戻すのではないかという期待があった。
実際、そのようなサクセスストーリーを唱える専門家やインフルエンサーが多かった。しかし、筆者の見方は全く逆だった。
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