2015年7月27日以前の記事
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「デイリーヤマザキ」は復活できるのか 一時期は「ファミマ」より多かったのに、近年はあまり見かけなくなったワケ(3/3 ページ)

かつてコンビニ業界で大きな存在感を発揮していた山崎製パンのデイリーヤマザキだが、近年は店舗数が減少、収益性にも苦しんでいる。同チェーンのこれまでを振り返る。

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スリム化で収益性は改善しているが……

 事業規模を縮小したが、近年は回復の兆しが見えている。

 デイリーヤマザキを主とする山崎製パンの流通事業の売上高は継続的に成長しており、2025年度には800億円に迫った。この間に店舗数は増えておらず、スリム化しながら収益を改善している。


同社の決算推移(IR資料を基に筆者作成)

 増収の要因について、同社は直営店舗数の増加を挙げている。2025年度における既存店売上高は前年比2.4%増であるのに対し、流通事業では約5%も伸びていることから、近年の増収は本部による出店や加盟店の吸収が影響していると考えられる。

 店舗当たりの業績も改善し、赤字を縮小させた。近年はデイリーホットを強化し、店舗内での面積を拡大している。入り口側に典型的なコンビニの棚を置かずにテーブルのような台を設置し、調理品のパンやおにぎりなどを並べている店舗もある。

 コンビニ利用者の間では、米価の高騰により菓子パンで代用する層も増えており、こうした施策が功を奏したと考えられる。デイリーヤマザキの主力商品であるパン類の参考小売価格も継続して引き上がっており、こうした値上げも店舗の収益改善に貢献した。

 2025年度の全社営業利益は600億円を超え、山崎製パンにとって流通事業の必要性は低下している。ただ、同社がデイリーヤマザキを他社に売却する可能性は低いとされる。大手3社とも山崎製パンの卸売先であり、PBの製造も受託しているためだ。1200店舗を特定の1社に譲り渡すのは、他2社の利益に反する。スリム化しながら黒字化を目指すのが当面の方針になりそうだ。

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


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