びっくりドンキー運営が挑む「おひとりさま」新業態 DXで実現したスタッフ15人→5人以下の店舗運営(2/2 ページ)
ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」の運営元のアレフ(札幌市)が今、「おひとりさま」向けの新業態「Dishers」を都心で展開している。同ブランドを立ち上げた狙いと店舗DXの取り組み、現状の手ごたえについて、ディッシャーズチーム チームリーダーの辻道拓央氏に話を聞いた。
コロナ禍での出店で苦労も DXで強みを発揮
びっくりドンキーの空白地帯を埋めるべく誕生したディッシャーズだが、出店時期がコロナ禍と重なったことでさまざまな苦労があったという。「緊急事態宣言や外出自粛の影響から、最も集客が見込めるオープン直後のタイミングで、積極的なプロモーションができませんでした」
加えて、オフィス街にある新宿住友ビル店では、リモートワークの普及により来客数が苦戦するなど厳しい立ち上がりだった。しかし、辻道氏によると「コロナ禍がプラスに働いた面もある」という。
「ディッシャーズではオープン当初から、注文用のタブレット端末や自動精算機を導入していました。当時、社会的に重視されていた『非接触』『ソーシャルディスタンス』というニーズに図らずも合致していたのです」。また、テークアウトにも注力していたため、コロナ禍でのテークアウトや宅配需要の高まりにスムーズに対応できたという。
オペレーションを徹底的に効率化 スタッフを15人→5人以下へ
ディッシャーズでは、省人化にも取り組んでいる。63席ある錦糸町店では、びっくりドンキー業態の場合は、約15人のスタッフが必要だという。しかし、ディッシャーズはキッチンとホールがそれぞれ2人と、5人以下での運営を実現している。
省人化を可能にしたのがデジタル化だ。キッチンには注文用のタッチパネル端末と連動したディスプレイを導入し、注文内容をデジタルサイネージで可視化。画像指示に従って盛り付けする仕組みにより、新人でもミスしづらい環境とスピードアップを両立した。
ホールでは、注文用のタッチパネル端末や自動精算機の導入に加え、一皿で完結するメニュー設計により、配膳・下膳の回数を最小限に抑えた。こうした工夫により、少人数のスタッフでの対応が可能なのだという。
アレフではこうした省人化システムを導入するため、社内の専用ラボで実証実験を実施し、独自のオペレーションモデルを構築。実際の店舗をオープンした後も、現場での検証と改善を繰り返しているという。
今後について、辻道氏は「SNS発信やインバウンドへのアプローチを強化し、ディッシャーズという新業態を確立することが最優先です」と話す。びっくりドンキーに続く人気ブランドへ成長できるか、ディッシャーズの今後に注目だ。
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