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「4年半保存」魚肉ソーセージの開発秘話 災害現場の「食事の悩み」から生まれた(1/3 ページ)

東日本大震災から15年。被災地で活動する自衛隊員や消防士の「食事のしづらさ」という声を受け、水産大手Umiosは片手で食べられ、約4年半保存できる魚肉ソーセージを開発した。カロリーや包装を工夫し、開発には約5年を要した。備蓄食としての需要拡大を見据え、将来は「7年保存」も目指す。

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産経新聞

 11日で東日本大震災から15年となる。災害現場の最前線で救助や支援活動に従事する自衛隊員や消防士は、「食事」に課題を抱えている。切実な声を受け、水産大手「Umios(ウミオス)」(3月にマルハニチロから社名変更)は片手で手軽に食べられ、約4年半保存ができる「魚肉ソーセージ」を生み出した。カロリー、包材などに工夫を重ね、開発に約5年をかけた。備蓄品としての需要を見込み、保存期間のさらなる長期化も視野に入れる。

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片手で手軽に食べられ、約4年半保存ができる「魚肉ソーセージ」(Umios提供)

避難者の前で食べる葛藤

 「家をなくした避難者の前で長時間、食事を取るのがはばかられる」「カップ麺や缶詰は汁まで飲み干さなければならない」。被災地で活動する自衛隊員や消防士らは、食事する際に心理的な葛藤を抱え、ごみの問題に直面していた。水が限られる環境では、残った汁の処理さえ悩みの種になる。

 解決できないかー。Umiosの開発チームは、魚肉ソーセージの「手軽さ」に着目した。片手で食べられ、汁は出ない。包材はフィルムだけ。丸めれば小さくポケットにしまえるほどで、ごみは最小限に抑えられる。匂いは控えめで、周囲の目は気にならない。作業用手袋をしたままで開封できる。

 厳しい環境で心身を支えられるよう、中身にもこだわった。通常品の約100キロカロリーから約200キロカロリーへと引き上げた。重さは、75グラムと市販で販売をしているソーセージより大きいサイズになった。有事の活動量を想定し、思うように食事がとれなくても、体力が保てるように調整した。食材が不足し、栄養が偏る中でも「魚由来のタンパク質やカルシウム」を手軽に摂取できるのも強みだ。

 自衛隊関係者によると、災害現場に派遣される際は、国から携行食が支給される。災害が起きてすぐに出動した隊員たちは、パックご飯のみ。後から合流する隊員にゼリー飲料や栄養補助食品、カップラーメンなどを頼んでいるという。被災地に寄付などで集まった食料は食べられない。「火や水が使えない状況で、不足する栄養を短時間で補給できるのはありがたい」と話す。

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