インタビュー
「転勤に最大100万円」それでもなぜ解決しない? 企業が制度を見直す理由(5/5 ページ)
転勤一時金の拡充が進む中、大手企業でも「金額だけでは社員の納得感は得られない」という課題が浮上。サントリーHDや東京海上日動の制度改革を通じ、柔軟な転勤制度の必要性を探る。
問われる制度設計
サントリーHDと東京海上日動に共通しているのは、金銭的な手当だけでなく、制度全体をパッケージとして再設計している点だ。エリア限定制度や、毎年選択できる仕組みを同時に導入することで、社員自らがキャリアや生活を選べる仕組みを整えた。金銭的手当の拡充は転勤への納得感を高める有効な手段だが、それだけでは十分とはいえない。
転勤を理由に離職した人に「どんな制度があれば辞めずに済んだか」を聞いたパーソル総合研究所の調査では、「手厚い転勤手当の支給」(57.9%)に加え、「一時的なコース変更」(55.3%)や「本人の希望の反映」(53.9%)が上位に挙がった。
求められているのは、金額の多寡ではなく、個人のキャリア意思をどこまで尊重できるかという制度設計の思想だ。転勤制度は「会社が決めるもの」から「社員と対話しながら設計するもの」へと転換期を迎えている。その対話の質が、今後の人材獲得や定着を左右しそうだ。
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