「SaaSの死」に飲み込まれるな 1兆円企業マクニカが「フィジカルAI」に賭ける理由:AI革命、日本企業の勝ち筋(2/2 ページ)
国内最大の半導体商社、マクニカホールディングスの原一将社長に、生成AIと半導体産業における日本の勝ち筋を聞いた。日本の現場力がAIという脳を得たとき、どのような化学反応が起きるのか。
目前に迫る「SaaSの死」 AIに飲み込まれないための策は?
AIが加速度的に進化することによって、実現できることが増えている――。原社長は、今後のビジネスで勝ち筋を見つけるためには「AIと半導体の進化を理解することが欠かせない」と指摘する。
「エクスポネンシャルなテクノロジーを含めたAIがどこまで進化していくのか、また、半導体の性能がどれだけ進化していくのかに対しては、ある程度の想定はしていました。想定の範囲内ではあるものの、その進化によって実現できることが加速度的に増えています。この状況についてはポジティブに捉えています」
その上で「重要なのは情報と知識、知恵といったインテリジェンス」だと話す。
「SaaSがAIによって代替される『SaaSの死』が指摘されるように、AIや半導体の進化を深く理解し、そこに対して投資をしていかなければ、既存のビジネスは全てAIに飲み込まれてしまいます。先端技術のトレンドをどこよりも早く把握し、将来の価値に変えるクリエイティビティが、かつてないほど重要になっています」
グローバルの最先端の情報を持つマクニカだからこそ、原社長は生成AIと半導体産業における日本の現在地を正確に掴んでいる。重要なのは、海外の半導体メーカーやスタートアップと同じスピードで、新たな挑戦をし続けることだろう。
マクニカは創業当初から半導体分野に注力し、米シリコンバレーなどでスタートアップだった半導体メーカーを発掘することで、成長を遂げてきた。後編ではその「目利き」の源泉である人材育成や、スタートアップとともに「失敗を恐れずに挑戦し続ける」独自の組織論に迫る。
著者プロフィール
田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで大学問題、教育、環境、労働、経済、メディア、パラリンピック、大相撲など幅広いテーマで執筆。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)、『ルポ 大学崩壊』(ちくま新書・筑摩書房)。HPはhttp://tanakakeitaro.link/
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