“みそきん”から火が付いた、みそラーメンブーム 外食大手も熱視線を注ぐワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/7 ページ)
30年ぶりにみそラーメンが人気だ。HIKAKIN氏が開発した「みそきん」から火が付いたが、この人気は今後どこへ向かうのか。
コラボや買収も進むみそラーメン業界
ラーメン業界では、博多豚骨、家系といった、他の種類のラーメンで成長したチェーンが、中小のラーメンチェーンをM&Aで獲得する動きもある。
2025年4月には、「一風堂」を展開する力の源ホールディングスが、東京でみそラーメン専門店「楓」と「奏」を経営するライズを買収。全株式を取得して、完全子会社化した。
また、家系ラーメン「壱角家」、讃岐うどん「山下本気うどん」など11ブランドを展開してきたガーデンは、2025年10月にグッドクリエイトから、都内で約30年間経営してきたみそラーメン専門店「萬馬軒」4店舗を譲り受けた。中期的には30店舗、売り上げ30億円を目指し、首都圏トップのみそラーメンブランドにすると意気込む。
いずれも、成功したメインブランドに次ぐ、大きな柱へと育成させるのが狙いだ。
ファミレス「デニーズ」では、有名シェフとコラボした高品質のメニューに挑戦している。2025年1月には、冬の期間限定で、神奈川県湯河原町のラーメンの名店「飯田商店」の飯田将太店主監修のみそラーメンを販売。これが好評だったことから、同年12月にも再販売となった。
5種類のみそを粒感、熟度を変え、信州みそと仙台みそをメインの味とし、後味に甘みを付けるため、西京しろみそを配合した。これにより、まろやかで奥深いスープに仕上がっている。
セットで提供されるサイドメニューにも、特製の金山寺みそだれをかけた新感覚の唐揚げを提供するなど、徹底的にみそにこだわった。ミニご飯を付けると2000円を超える高額メニューにもかかわらず、こうしたこだわりぶりが多くのファンを集めた。
多様なプレーヤーが活躍するみそラーメン業界
この数年で火が付いたみそラーメンブーム。その人気は、ラーメンを愛するインフルエンサー、みそに精通するみそ蔵出身者、即席麺のトップメーカー、コンビニ、ラーメンを極めた職人など、多様なプレーヤーによって形作られている。
みそラーメンと聞くと札幌をイメージする人も多いが、新潟の白みそをはじめ、全国のさまざまな色、素材のみそが使われており、より多様化しているのが特徴だ。
このように、みそラーメンがブームとなる一方で、実はみその消費量は年々減っている。調査によると、2000年のみその出荷数量は、50万4465トンだったが、2024年には35万9836トンにまで減少していることが分かっている。
日本が誇るスーパーフードであるみそ。みそラーメンに親しむ人が増えることで、再度注目が集まり、需要が高まるきっかけになってほしいものだ。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
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