なぜアパホテルは「同じ部屋で4倍の価格差」で、東横インは「連休でも値上げしない」のか(1/4 ページ)
同じ部屋でも週末には価格が3〜4倍以上に跳ね上がる場合もある「アパホテル」に対し、土日や繁忙期でも価格の上限を守る「東横イン」。ホテル大手2社のターゲット層の違いから、価格戦略の狙いをひもとく。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
ホテル業界では、週末に1万円以上する部屋が、平日には数千円程度で予約を取れる場合がある。その日の需要に合わせて価格を変える「ダイナミックプライシング」(価格変動制)が一般的だからだ。
代表例が「アパホテル」だ。ビジネスホテルにもかかわらず、繁忙期には高級ホテル並みの価格に設定することが多い。対する「東横イン」は価格に上限を設けて大幅な変動がない「原則ワンプライス」にこだわる。両社は運営方法やターゲット層が異なり、その違いが価格設定の差につながっているようだ。
都市部では宿泊価格が高騰
昨年、都市部における宿泊価格の高騰が話題になった。ホテルでは観光客数や為替、周辺施設の相場に合わせて価格を変動させるのが一般的なため、インバウンドの増加に伴い価格が上昇した。都内では週末のビジネスホテルの客単価が2万〜3万円を超える事例も見られた。
2025年11月に、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことで中国人観光客が減少し、宿泊価格は落ち着きを見せた。しかし、今でも週末に1万円以下で泊まるのは難しく、1万5000円以上が相場だ。一方、平日なら6000円台で泊まれる部屋も現れる。同じ施設でも日程によって価格変動が大きく、ダイナミックプライシングが普及している。
東横インは「原則ワンプライス」を掲げ、「平日・日曜」と「土曜・休前日」の2パターンで価格を固定している。都内の施設では平日は8000円台、週末は約1万円と曜日ごとの差が小さい。そのうえ、ゴールデンウイーク期間中でも2万〜3万円以上に跳ね上がることはなく、通常時と同程度の価格で提供している。
しかし、繁忙期や週末は他社より安いため予約が埋まっていることが多く、消費者から見ると直前に利用するのは難しい。
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