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なぜアパホテルは「同じ部屋で4倍の価格差」で、東横インは「連休でも値上げしない」のか(2/4 ページ)
同じ部屋でも週末には価格が3〜4倍以上に跳ね上がる場合もある「アパホテル」に対し、土日や繁忙期でも価格の上限を守る「東横イン」。ホテル大手2社のターゲット層の違いから、価格戦略の狙いをひもとく。
東横インが価格を固定する狙いは?
ワンプライス制度に関して、東横インは「ビジネス出張でもプライベート旅行でも『予算内で泊まれる価格』を上限価格とする」という方針を示している。
公式Webサイトでは同社の調査結果を引用しつつ、プライベート目的では平均1万5000円、ビジネス目的では平均1万2000円を、それぞれ予算内で泊まれる価格の目安としている。実際に都内のシングル料金は、おおむねこの範囲内に収まっている。
東横インが価格を固定するのは、顧客に安心感をもたらし、常連客を獲得するためだ。特にビジネス利用の客を重視しているため、出張手当の範囲内に抑える狙いがある。
少し前のデータだが、財務省が2023年に公表した出張旅費規程のアンケート調査によると、国内宿泊料の平均額は約1万1000円で、おおむね1万4000〜1万5000円が上限額だ。宿泊料金を1万5000円以上にしてしまうと、ビジネスパーソンが利用しにくくなる。
インバウンドが増えている昨今の状況は、ホテル業界にとって稼ぎ時だ。だが、東横インはコロナ禍以前からインバウンドに注力していなかったこともあり、宿泊客に占めるインバウンド比率は約10%と、業界全体(約25%)を下回る。ビジネス利用の常連客を失わないために、価格を固定しているのだ。
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