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「脱・化学一本足」の旭化成、2年連続最高益へ 社長が明かす“3領域”変革の「勝ち筋」

総合化学メーカー旭化成の工藤幸四郎社長は4月15日、経営説明会で「2027年度の営業利益目標2700億円達成に向けて順調に進捗している」と説明した。2030年には営業利益3800億円を目指す同社の勝ち筋とは。

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 総合化学メーカー旭化成の工藤幸四郎社長は4月15日、経営説明会で「2027年度の営業利益目標2700億円達成に向けて順調に進捗している」と説明した。ヘルスケアやAI・半導体関連といった成長分野が利益拡大をけん引し、2025年度は2年連続で過去最高益を更新する見通しだ。

 同社はこれまでの「マテリアル」を中心とした事業構成から「ヘルスケア」「住宅」領域を成長させ、2030年までに3領域が同程度の利益を生み出すための事業ポートフォリオ変革を進めている。化学メーカー「一本勝負」から脱却し、2030年には営業利益3800億円を目指す。工藤社長が語る勝ち筋とは。

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中期経営計画の進捗状況を報告する経営説明会に登壇した、旭化成の工藤幸四郎社長(編集部撮影)

2030年に営業利益3800億円 勝ち筋は?

 同社が今後の成長の3本柱として据えているのが「マテリアル」「ヘルスケア」「住宅」領域だ。まずマテリアル領域では、エレクトロニクス事業を重点成長事業として位置付け、積極的な投資を進める。また、収益が低迷しているケミカル事業については、データマネジメント事業の一部を常置するなど、構造転換を図る。

 ヘルスケア領域では、特に医療事業を重点成長事業として位置付ける。医薬事業について、工藤社長は「積極的な拡大投資を通じて持続的な成長基盤を確立した」とした上で、免疫移植や腎臓疾患、重症感染症といったニッチな領域に注力する方針だ。「メガファーマと直接競合せず、臨床試験規模が比較的小さく、大きな営業隊も不要なことから、過度なリスクテイクを避けた事業運営が可能だ」(工藤社長)。2030年度には売上高3000億円、営業利益率15%以上を目指す。

 住宅領域は、特に海外事業に注力する。北米では人口増加を背景に、住宅需要の高い、スマイルゾーンと呼ばれる米国の南部・東部・西部を結ぶエリアを中心に展開。建築工程の中核となる業種を一元管理し、工期短縮と品質向上を両立している。

 工藤社長は北米市場について「足元ではインフレ懸念や住宅価格の高騰などを背景に市場環境は厳しい状況にあるが、中長期的には人口増加や住宅供給不足を背景に戸建住宅需要は底堅い」と分析。需給を見極めながら投資をコントロールしつつ、回復局面を見据えて新規顧客の開拓に注力する方針だ。

 豪州は、安定した人口増加と経済成長を背景に事業環境は比較的良好に推移している。今後は新しく立ち上げた土地開発事業を推進する他、請負事業を拡大し、海外住宅事業全体で2030年ごろに売上高5000億円、営業利益率10%を目指す。

 工藤社長は、現中期経営計画の先を見据えた将来の事業成長に対する考え方として「いずれも旭化成ならではの戦い方、戦うフィールドを見極めた上で、持続的に成長できると考えている。市場の状況次第では成長の早期実現も可能であり、その機会を積極的にうかがっていく」と話した。

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