総務は「誰でもできるなんでも屋」か そんな過小評価を覆す、たった一つの方法:「総務」から会社を変える(2/2 ページ)
総務は、現場社員から「何でも屋」「誰でもできる仕事」と思われがちである。こうした現状を覆す方法が一つある。
多くの総務は自らを過小評価している
しばしば、他部署から総務に異動してきた人から「総務パーソンはさまざまな知識やスキルを持っている。そのことに他部署だけでなく本人や上司が気付けていない」といった声を聞く。
総務パーソンの自己肯定感の低さ、つまり「はたから見ると専門的でありながら、自らそうは考えていない」という現象を解決するにはどうすればいいのか。筆者は良い属人化、つまり専門性を強め、広めることが大切だと考える。
総務パーソンは奥ゆかしい人が多いように感じる。言い換えれば、広報下手でもある。総務が組織として抱えている業務に必要な専門性を広報することは、現場社員の「当社の総務にはこんなにも多くのプロフェッショナルがいるんだ」という安心感にもつながる。
リスク管理のプロ、情報セキュリティのプロ、ファシリティマネジメントのプロ、ウェルビーイングのプロ。さらに業務改善のプロからチェンジマネジメントのプロ。社内の困り事は、このようなプロフェッショナル集団=良い属人化ができている総務が解決する。総務とは本来、ヒーローチームの「アベンジャーズ」のような存在であるべきだ。
「総務に異動は嫌」を減らすには
広報活動では総務の専門性の発信に加え「総務に所属すると、このようなアベンジャーズの一員になれますよ。みなさん応募しませんか?」と、キャリアのロールモデルを社内に知らしめるのも効果的だ。こうした広報活動は、別の「総務あるある」解消にもつながる。
異動の時期になると「総務は嫌」「総務だとキャリアが心配」などと言われがちである。これは、総務でどのようなキャリアを築けるか、正しく伝わっていないため発生する問題だ。総務の専門性やキャリアのロールモデルを社内に広報していれば、異動を喜んで受け入れるケースも増えるのではないだろうか。
総務をアベンジャーズのように生まれ変わらせるためには、総務自身が自らの仕事の価値と影響度合い、それを実現するために必要な専門性やスキルについてしっかりと認知する必要がある。さらに、それらを可視化・言語化し、社内に広報しなくてはいけない。
総務のキャリアが見えない、総務には異動したくない、総務の専門性に気付いていない・気付いてもらえない──これらは全て、総務自身の努力不足でしかない。自らを知り、自信をもってアピールしていく。その努力なくして、ここまで触れたような「総務あるある」は払しょくできない。
総務パーソンは日々の業務を通して社員が輝く舞台を支え、演出している。「総務が変われば、会社が変わる」という言葉がある通り、総務アベンジャーズなくして、会社は成り立たない。
著者プロフィール・豊田健一(とよだけんいち)
株式会社月刊総務 戦略総務研究所 所長/早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。
著書に、『リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター、以下同)、『マンガでやさしくわかる総務の仕事』、『経営を強くする戦略総務』
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ、私が総務部に? 「キャリアアップが不安」の声にどう向き合うべきか?
総務部への異動してきた後輩から「総務部でのキャリアップが不安」と言われたら、どのような答えを返すべきか?
「この仕事、意味ありますか?」 後輩総務の質問、100点回答に不可欠な視点とは
総務の後輩から「この仕事、意味ありますか?」と質問されました。どんな返答をすれば納得してもらえるでしょうか?
福利厚生の「スタメン」入れ替え 時代と社員のニーズに合う考え方とは?
福利厚生の「スタメン」が変わり始めている。これまでの福利厚生は「誰のため」のものだったか、そして今の福利厚生に求められる観点は?
脱・お役所管理 総務の「現場を動かす」コミュニケーションには何が足りない?
総務は「お役所的」と言われてしまうこともしばしば……。「現場を動かせない」総務が見落としているコミュニケーションは?


