日高屋なぜ騒動に? 社長発言から見えた「日本人がすぐ辞める」外食の現実:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
日高屋の青野敬成社長による発言と、その後の公式Xでの謝罪文が話題になっている。なぜ日高屋は詳細な説明をしなかったのか。その理由は……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「こんな安くて本当に大丈夫?」と、こっちが心配するほど超良心的な価格帯のメニューで「サラリーマンの味方」として定評のある「熱烈中華食堂日高屋」(以下、日高屋)が、炎上してしまった。
といっても火元は、店舗での異物混入や不適切投稿ではなく、経営者によるものだ。
経済ニュース番組『WBS』(テレビ東京系)が、特定技能1号(外食業分野)の外国人労働者受け入れが一時停止したことを受けて、日高屋を運営するハイデイ日高の青野敬成社長に見解を尋ねたところ、次のように語った。
今まで4割ぐらいは外国人でやろうと考えていたところが、今年はもう手の打ちようがない
外国人の特定技能はだめとなると、日本人の高校卒業生や大学卒業生、専門卒を中心に取るしかない
これが放送されたことで、ネットやSNSで「なんで日本人が外国人労働者の代用みたいに語っているの?」「そこまで外国人をたくさん雇うのは助成金が出るからではないか」などの指摘が相次いで、大炎上。
その2日後、日高屋の公式Xが「謝罪文」を投稿し、外国人も日本人も待遇は全く変わらないことや、助成金などを受け取っていないことを釈明したのだが、鎮火することなく別の批判に発展してしまう。
日本人と外国人の待遇が同じならば、まず日本人の採用に力を入れて、それでも足りない部分を外国人労働者に補ってもらう「順番」を思い浮かべる人が多いはずだ。だが、青野社長の言葉からは、そんなニュアンスは感じられなかった。
日本人も外国人も人件費が同じならば、なぜ外国人を採用できないことにそこまでガッカリしているのか、という多くの人が抱く疑問については「ゼロ回答」と言っていい。そのため、「なんか、ごまかそうとしてない?」と受け止められ、さらに不信感が強まったのである。
しかし、日高屋をかばうわけではないが、このような中身の薄い謝罪文になってしまったのも、やむを得ない部分がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
