ピュレグミは分かるけど会社名は知らない……カンロを「過去最高益」に導いた“自社のファン作り”戦略(2/3 ページ)
2025年度の売上高・利益ともに過去最高を更新した、大手菓子メーカーのカンロ。「ピュレグミ」や「カンデミーナグミ」など人気ブランドを同社はなぜ、自社のファン作りに注力しているのか。
継続率90% データと顧客の声で改善したサブスク
ファンとのつながりは、サービス面でも強化している。当初、スーパーなどで販売している一般流通品を毎月届けるサブスクリプションを始めたが、思うように伸びなかった。
顧客調査を実施して見えてきたのは、ファンは「便利さ」よりも、手に入りにくい人気商品が手に入る「ご褒美感」や「優越感」を求めているという気付きだった。
この結果をもとに、入手困難な人気商品「グミッツェル」をボックスにして届けるサービス「グミッツェル for me」(月額3000円)へとサービスを刷新した。サービス継続率は約90%という高い水準を記録し、武井氏は「サブスクを始めるにしても、顧客視点で考えることが不可欠だと実感した」と話す。
もう一つ、武井氏が「これに勝るファン度向上施策はない」と強調するのが、リアルイベントの開催だ。
同社はこれまで、本社の会議室に20人ほどのファンを招く無料イベントを定期的に開いていた。とはいえ、無料では提供できるコンテンツの質や規模に限界がある。より高い満足度を提供するため、同社は2025年、初めて有料でのファンイベントを開催した。
チケットは自社サイトのカンロポケットを通じて販売し、大人1500円という設定ながら、募集開始から10分で120組の定員に達する人気を博した。リアルイベントでは、好きなグミを缶に詰める体験や、社員との対話、カンロ飴を使って作った大学芋やトーストなどの飲食メニューを提供した。
1万1000円「カンロ飴ネックレス」が完売
「販売力の向上を実感した」と武井氏が話すのが、2025年に「カンロ飴」発売70周年を記念して企画した、実寸サイズの「カンロ飴ネックレス」だ。
価格は1万1000円。「一体誰が買うのだろうか?」と武井氏も企画段階では半信半疑だったという。しかし、会員向けのメルマガで案内すると予定数量の70個が完売した。武井氏は「『カンロポケットには確かにカンロのファンが集まっている』と実感した瞬間だった」と振り返る。
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