企業の業績見通し、「減収減益」が3年連続で増加 中東情勢の影響が目立つ業種は?
帝国データバンクの調査で、2026年度に「減収減益」を見込む企業は2割強に上ることが分かった。一部の業種では、中東情勢の緊迫化の影響もみられた。
帝国データバンクが実施した調査で、2026年度に「減収減益」を見込む企業は22.6%に上ることが分かった。中東情勢や物価動向が、業績見通しのカギとなっている。
2026年度に「増収増益」を見込む企業は23.9%で、前年から0.7ポイント低下した。3年連続の減少となる。一方「減収減益」は22.6%(同1.4ポイント増)で、3年連続で増加した。「前年度並み」は21.9%(同0.2ポイント減)だった。
帝国データバンクは、米国・イスラエルによるイラン攻撃や、ホルムズ海峡封鎖の懸念など、中東情勢の緊迫化を指摘し「企業は2026年度の業績見通しを一段と慎重にみている可能性がある」とした。
業種別にみると、「増収増益」が最も多かったのは「金融」(35.7%)だった。金利上昇や、株式市場への資金流入が追い風となり、見通しは比較的明るい。
以降「精密機械、医療機械・器具製造」(35.6%)、「情報サービス」「飲食料品・飼料製造」(いずれも30.9%)、「電気機械製造」「飲食料品小売」(いずれも30.0%)が続いた。
半導体関連投資の進展による素材・装置・部品需要の改善や、AI活用の拡大、官民のデジタル化投資の安定需要が見込まれることから、前向きな見通しが広がった。
一方、「減収減益」が最も多かったのは「電気通信」(42.9%)で、唯一の4割台となった。以降、総合スーパーなどを含む「各種商品小売」(36.8%)、「家電・情報機器小売」(34.8%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(34.0%)が続いた。
減収減益の上位10業種のうち、6業種を小売りが占めた。企業からは「石油価格の異常な値上がりが起きたことで、店頭での買い控えが始まった」「商品の入荷遅れが非常に深刻で、売れているのに現金化できない状況なうえ、納入時期も不明となっている」といった声が寄せられた。
業績を上振れさせる要因は「個人消費の回復」(32.0%)、「原油・素材価格の動向」(26.9%)、「所得の増加」(21.7%)が上位だった。「中東情勢により大きく変化する。戦争の終結が早ければ、景気の回復も早くなる」との見方もある。
一方、下振れ要因は「原油・素材価格の動向」(52.1%)が最も多く、前年から18.6ポイント上昇した。「物価の上昇(インフレ)」(38.3%)、「人手不足の深刻化」(34.2%)、「個人消費の一段の低迷」(30.2%)が続いた。
本調査は3月17〜31日、全国2万3349社を対象にインターネットで実施した。有効回答は1万312社。
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