入社1年目で「JALマイレージバンクアプリ」発案 「27歳エース社員」が実践する“オンリーワン”を目指す仕事術:教えて!あの企業の20代エース社員(2/3 ページ)
日本航空で働く森口翼さん(27歳)は、入社1年目で社内コンペに挑戦し「JALマイレージバンクアプリ」をサービス化した。森口さんの行動原理はどこにあるのか。その軌跡をたどると、若手が成果を出すための「思考と行動」のヒントが見えてきた。
コロナ禍で、なぜJALに? 逆風の中で選んだ航空業界
森口さんがJALに入社したのは2021年。新型コロナウイルス流行の影響で、航空会社各社は欠航便が相次ぎ、苦しい状況が続いていた。
「なぜこのご時世に航空会社なの?」
就職活動の指導者や家族からは、不安の声もあったという。それでも森口さんの決意は揺らがなかった。
「人生で人とのつながりは非常に重要だと考えています。日本は島国です。日本で世界中の国とつながるには、飛行機や船が欠かせません。人とつながる大切な手段である航空業界のために、自分も何かできないかと考えて入社しました」(森口さん)
入社1年目、森口さんはグランドスタッフとして空港に配属された。現場での接客を通じて、顧客が何に興味があり、どのようにサービスを利用しているのかをじかに学んだ経験は、データの利活用を推進する現在の業務でも役立っている。
顧客と話した内容は一つ一つメモに残している。そのメモは現在でも読み返しており、森口さんにとって大切な財産になっているという。
「JALマイレージバンクアプリ」を発案 1年目で挑んだ社内コンペ
キャリアで大きな転機となったのが、1年目で挑んだ社内コンペだった。
森口さんは、マイルによって新しい価値を提供する「JALマイレージバンクアプリ」の企画を提出した。航空業界は社会情勢に左右されやすい。だからこそ、航空事業以外で収益を得る仕組みが必要だと考え、思い付いたのがマイルの活用だった。
グランドスタッフとして顧客と接する中で、想像以上に人々のマイルへの関心が高いことを実感していた。従来のマイルは飛行機への搭乗時に加算されるものだったが、それが日常の買い物でもたまり、搭乗以外でも使用できるようになれば、新しいビジネスモデルを生み出せるのではないかと仮説を立てたという。
しかし、当時の森口さんは入社1年目。社内事情にも事業内容にも詳しくはなかった。そこで、マイレージ事業部のオフィスに足を運んで先輩社員を「出待ち」し、情報収集に努めた。
新人だからこその行動力に加えて、森口さんにはもう一つ武器があった。大学時代から磨いてきたデータサイエンスの知見だ。
当時の立場では、アクセスできないデータも多かったため、検索動向分析ツールのGoogleトレンドで「『マイル』というワードの検索数がコロナ禍前後でどのように変化したか」などを調査。競合他社を含め、コロナ禍で検索数が減少していることを確認した上で「マイルへの認知度や興味を高める必要がある」という仮説を導き出し、アプリの構想を固めていった。
アイデアは採用され、森口さんは実現に向けて、マイレージ事業部に異動。先輩社員の指導の下、要件定義から設計、検証、リリース、運用まで、アプリ開発の全フェーズに携わった。そして入社から3年目の2023年11月に、JALマイレージバンクアプリをリリースした。
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