「終わった」と言われたサンマルク V字回復に導いた戦略とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
サンマルクHDが、業態を拡大しながら業績を伸ばしている。社長の藤川氏は、なぜこのような戦略を採用したのか?
藤川氏が採用した施策とは
これらの施策を進めているのは、2022年に33歳の若さで社長となった藤川氏だ。藤川氏は三菱UFJモルガン・スタンレー証券に勤める証券マンであったが、サンマルクHD創業者の片山直之氏に見込まれ、IR担当として転職した。
しかし、2018年に片山氏はがんで逝去。藤川氏は取締役経営企画室長として、元証券マンの知見を生かした経営を行った。同社の無借金経営の伝統を破り、これまで金融機関とのつながりがほとんどない企業であったにもかかわらず、コロナ禍を乗り切る200億円の調達を成功させたのである。こうした実績により、社長に推されて就任している。創業者が目指した売上高1000億円が、当面の目標だ。
サンマルクカフェは縮小路線から反転攻勢へと転じ、新コンセプト「FFH(Fresh Fast Handmade)」を掲げた店舗の展開を開始した。Fresh(新鮮・焼きたて)、Fast(素早い提供)、Handmade(店内手作り)にこだわった新しい店舗のモデルで、その1号店「サンマルクカフェ&茶 新宿御苑前店」を開業した。
「サンマルクカフェ&茶」は、2025年7月に展開を開始した新業態で、お茶需要の高まりを背景に、従来のメニューにお茶系の品を加えたものだ。黒糖タピオカ入りドリンク4種類、フルーツティー2種類、そしてエッグタルトなどのフードメニューが、限定商品として販売されている。
さらに「FFH」では、従来の焼き立てパンを選んで買う方式に加えて、注文を受けてから目の前で調理する、ホットサンドやホットドッグを導入。サンマルクHDの、セントラルキッチンを設けずに店内調理にこだわる提供法をより深化させた形を採用した。
サンマルクHDは、サンマルクカフェとサンマルクカフェ&茶を立地によって出店し分け、今後は商業施設内の店舗に加え、路面店を中心に展開していく方針だ。3年後の2029年度には、約90店舗増の370店舗を目標とし、コロナ前の店舗数回復を目指す。
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