インタビュー
管理職はなぜ「罰ゲーム」になるのか “仕事量”だけでは説明できない理由(5/5 ページ)
管理職の「罰ゲーム化」が進む中、やりがいや疲弊感を左右するのは本人の能力だけではなかった。リクルートマネジメントソリューションズの調査から、部下の支援行動とその認識が大きく影響している実態が見えてきた。
「管理職を鍛える」だけでは足りない
管理職の状態は本人の能力だけでなく、メンバーの行動をどう認識しているかによっても左右される。積極的支援の土台があれば建設的批判も成果に結びつき、土台がなければ同じ批判が逆効果になる。管理職を個別に鍛える従来のアプローチだけでは、この構造は変えにくい。
入江氏は「管理職個人の能力開発だけでなく、管理職とメンバーの相互作用に着目した組織づくりが求められている」と語る。
リーダーとメンバーの信頼関係を「らせん構造」として捉える研究も、九州大学の池田浩准教授のもとで進められている。リーダーがメンバーを信じることが起点となり、メンバーの被信頼感(信頼されているという感覚)が高まり、それがリーダーへの信頼を生む。
ただし、リーダーはメンバーが思うほどにはその信頼を感じ取れず、孤独に陥りやすいという。信頼は「持つ」だけでは足りず、「伝え合う」仕組みが必要だということだ。
罰ゲーム化の議論は、これまで制度設計や業務量の削減に集中してきた。それ自体は重要だが、管理職の負担を「仕事の量」の問題としてだけ捉えている限り、本質的な解決には至らないのではないか。
メンバーが管理職をどう支え、管理職がその支えをどう認識するか。この相互作用にまで踏み込んだ組織設計が、罰ゲーム化を解消するカギになりそうだ。
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