インタビュー
管理職はなぜ「罰ゲーム」になるのか “仕事量”だけでは説明できない理由(4/5 ページ)
管理職の「罰ゲーム化」が進む中、やりがいや疲弊感を左右するのは本人の能力だけではなかった。リクルートマネジメントソリューションズの調査から、部下の支援行動とその認識が大きく影響している実態が見えてきた。
管理職を「チームで支える」という発想転換
企業側にできることはあるのか。入江氏は、管理職とメンバーの間に壁がある限り、支援行動は生まれにくいと指摘する。「管理職には権限や責任が付与されるため、『偉い人のために、なぜがんばるのか』という感覚になりやすい。管理職も一つの役割にすぎず、ともに働く仲間だと思えるようにすることが大切だ」と語る。
具体策として挙げたのは、パーパスやビジョンを浸透させ、「一緒に成し遂げたい仕事」を共有すること。そして、360度フィードバックを通じて、互いの期待を言語化して伝え合うことだ。管理職がメンバーに何を求め、メンバーが管理職に何を期待しているか。そのすり合わせがなければ、フォロワーシップは発揮されにくい。
フォロワーシップが自然に生まれた事例もある。リコーは、コロナ禍で主力の印刷関連事業が打撃を受けたことを機に「デジタルサービスの会社」への変革を宣言。2022年にはジョブ型人事制度を導入し、管理職をマネージャーとエキスパートの2つのルートに分けた。
部下を持たない管理職層にも、3年間の猶予を設けて成果を求めるなど、役割と成果の関係を明確にした。その結果、30代の管理職比率は制度導入前の2.5%から11.4%へと上昇。全社員が危機感を共有する中で、メンバーが管理職を支える行動も自然に生まれたという。
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