「チラシを配っても、家なんて売れないでしょ」 それでも、オープンハウスが“路上営業”を続ける理由:インタビュー劇場(不定期公演)(2/5 ページ)
「チラシ配りは非効率では?」と見られがちなオープンハウスの路上営業。しかし実際には成約の3割を生み、ネット未掲載物件との出会いもある。DX化も進む現場の実像と、その合理性に迫る。
声をかけても空振りばかり
土肥: オープンハウスといえば、いわゆる路上営業が有名ですよね。駅前やスーパーの近くなどで、「新築物件を紹介していますが、いかがでしょうか?」といった声かけをしている。多くの人から「オレも声をかけられたことがある」「ワタシもワタシも」といったコメントが聞こえてきそうですが、同業他社で同じようなことをしているところって、少ないですよね。
SNSを見ていると、「忙しいときに迷惑だ」「声をかけただけで、家なんて売れるわけがない」などと厳しいコメントが飛び交っていますが、なぜ続けているのでしょうか?
小軽米: 駅前などで声をかけても、「ちょうど家を探していたんです。ぜひ、物件を見せてください!」といった反応をする人はほとんどいません。実際には「えっ、家ですか? いまは探していません」といった返答が大半を占めています。
そもそも不動産は価格も高く、人生で何度も経験する買い物ではないので「興味はあるけれど、何から始めればいいのか分からない」という人が多いんですよね。実際、友人や同僚の購入をきっかけに「自分もそろそろ考えるべきか」と感じながらも、なにもしていない人たちがいる。
つまり、路上営業は「今すぐ家を買う人」を探すだけではないんです。まだ行動には移していないものの、将来的には購入する可能性がある人との接点をつくっている。いわば、潜在的な顧客を掘り起こす手法、というわけです。
土肥: 1日に何人くらい声をかけているのでしょうか?
小軽米: 駅の規模や人通りによっても違いますが、1日に1000人を超えることが多いですね。そのうち、物件見学につながるのは1日に1〜2人。0人ということも、珍しくありません。
この数字を聞くと「効率が悪すぎでしょ」と思われるかもしれません。野球に例えると、ほとんどが空振りです。ですが、これだけは言えるんですよね。「合理的な営業手法である」と。
土肥: 路上営業には、人件費を含めてそこそこのコストがかかるはず。ですが、物件の見学につながるのは1日に1〜2人。そこから実際の購入に至るまでには、さらに高いハードルがある。にもかかわらず、なぜ「合理的な営業手法」だと言い切れるのでしょうか?
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