AIを導入しても、なぜ格差は広がるのか 7割の企業が感じる「使える人」との差(1/5 ページ)
AI活用を人事評価に反映する企業が増える一方、7割超の企業が「使える人」と「使えない人」の格差を実感している。制度を整えても埋まらない“AI二極化”の実態と、先進企業の取り組みを追った。
AI活用による成果が、ボーナスや昇給に影響し始めている。転職サービス「doda」によると、AIスキルの水準に基づく行動目標や達成率を社員評価に組み込む企業が5割を超えた。スキルの有無ではなく、それを使って何を実現したかが報酬に反映される時代になりつつある。
だが、評価制度を変えれば組織全体のAI活用が進むかといえば、そう単純な話ではない。7割超の企業が、AIを使える社員と使えない社員の「二極化」を実感している。制度変更の背景と、それでも残る格差の構造を追った。
dodaは、AIツールを導入・活用している従業員501人以上の企業の人事・採用担当者515人を対象に調査を実施した(2026年2月)。結果は2部構成で公開し、第1弾では採用への影響、第2弾では育成・評価の実態をまとめている。
調査によると、AI活用に関する項目を評価に「含めている」企業は54.7%を占め、うち25.4%が2025年度から新たに導入した。また、AIスキルの水準を定義している企業は67.2%に上り、うち58.4%が組織や個人の評価に反映している。
目標達成時のインセンティブは「ボーナス・特別手当」(64.4%)、「昇給」(63.9%)、「昇格」(60.9%)と金銭的報酬が上位を占めた。
企業が評価制度にAI活用の成果を組み込み始めた背景にはいくつかの要因がある。76.7%の企業がAI活用度と業務パフォーマンスに「関係がある」と回答しており、成果への寄与が実感され始めている。加えて、AIを使える社員と使えない社員の二極化を課題に挙げる企業も多く、活用を全社的に定着させ、成果を出した社員に報いる仕組みが求められている。
doda編集長の桜井貴史氏も「単に『AIスキルがある・ない』で報酬を決めているのではなく、AIスキル水準を踏まえて、どのような行動や成果につながったかを評価し、インセンティブに反映している。企業としてAI活用を一過性ではなく日常業務に根付かせたいという意思の表れだ」と分析する。
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