インタビュー
AIを導入しても、なぜ格差は広がるのか 7割の企業が感じる「使える人」との差(2/5 ページ)
AI活用を人事評価に反映する企業が増える一方、7割超の企業が「使える人」と「使えない人」の格差を実感している。制度を整えても埋まらない“AI二極化”の実態と、先進企業の取り組みを追った。
広がる「使える人」と「使えない人」の差
では、企業が課題に挙げる「二極化」の実態はどうか。dodaの調査では72.4%の企業が、AIを「活用できている人」と「活用できていない人」の二極化を実感していると回答した。
要因として最も多かったのは「各個人のスキル・能力の差」(65.7%)で、次いで「年代の差」(59.0%)、「各個人の学習意欲の差」(53.6%)と続いた。研修や学びの機会を提供している企業でも75.7%が二極化を認識しており、学ぶ場を用意するだけでは格差は縮まっていない。
さらに、全社横断でAIを推進している企業ほど、二極化を「とても感じる」と答える比率が高い。「対象が広がることで、個人のスキル差や学習意欲の差が『見える化』される。部署・職種・人数が増えるほど、共通レベルまで引き上げる難易度は高まる」と桜井氏は指摘する。制度を整備した結果、見えづらかった差が表面化している構造だ。
パーソル総合研究所が実施した調査(2025年)でも、AIを積極的に活用し社内に広める「ヘビーユーザー」の40%前後が指導・支援の負担増を感じており、その多くが正式な業務として評価されていない実態が報告されている。
研修の機会を増やしても、「広げる人」の負担が属人的な善意に依存したままでは、組織全体の底上げには至らない。評価制度の変化には、こうした推進者の貢献を「善意のボランティア」から「評価される役割」に転換しようとする意図もあるのだろう。
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