ブラックサンダー頼みから脱却 第2の柱「ミルクマニア」、発売4カ月で600万本(1/5 ページ)
有楽製菓が第2の柱として注力する「ミルクマニア」の販売が好調だ。社内では長年「ブラックサンダーへの依存度が高い」という課題があったという。新ブランド開発の苦労を聞いた。
「ブラックサンダー」シリーズを展開する有楽製菓が、新ブランド「ミルクマニア」の育成に力を入れている。ミルクマニアは、濃厚なミルク感を打ち出した、バータイプのチョコレート菓子だ。希望小売価格は1個86円で、主要コンビニエンスストアを中心に展開している。
2025年6月のテスト販売が好調だったことを受け、2026年1月に通年販売を開始。初月の出荷本数は約300万本を記録し、4月20日時点で累計600万本を突破した。同社が第2の柱として注力する存在だ。
ブラックサンダーという不動の人気商品を持つ企業が、なぜ今あえて新ブランド育成に挑むのか。ミルクマニアの企画・開発も統括する杉田晶洋氏(執行役員 マーケティング部 部長)と、商品企画を担当した北島あや氏(マーケティング部 コミュニケーション企画課 課長)に話を聞いた。
「ブラックサンダーへの依存度が高い」 社内で長年課題に
ブラックサンダーは、1994年発売のロングセラー商品だ。累計出荷本数は17億本を超える。ほろ苦いココアクッキーとプレーンビスケットをチョコレートでコーティングしたバータイプ菓子で、ザクザクとした食感や、希望小売価格44円という手ごろな価格を武器に、コンビニやスーパーなどで広く展開されている。
抹茶やいちごなどのフレーバーに加え、ご当地商品や他メーカーとのコラボ商品も展開しており、シリーズとして幅広い世代に浸透している。
一方で、社内には以前から「ブラックサンダーへの依存度が高い状況を変えなければならない」という課題感があった。
「長年にわたりその課題を抱えており、過去にはブラックサンダーに続く商品開発に取り組み、小規模で販売したこともあります」と杉田氏は明かす。しかし、限られた生産キャパシティーの中ではブラックサンダーの安定供給を優先する必要があり、本格的なブランド育成には踏み切れなかった。
その状況を変えたのが、2024年12月の新工場の稼働だ。これにより、バータイプ商品を製造する「個食ライン」の生産能力が従来の約2倍に拡大。既存商品の安定供給を確保した状態で、新ブランドの育成に本格的に着手できる環境が整った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
中小企業は「消去法」で50代を採用する 早期退職の前に知るべき現実
大企業の早期退職募集の波が広がりを見せている。申し込みシニア社員も多いようだが、中小企業への転職は簡単ではない。構造的なギャップを解説する。
退職一時金を「廃止」する会社は増えるのか 優秀人材が逃げる給与シフトの成否
王子ホールディングスは退職一時金を廃止すると発表した。過去3年間で廃止した大企業の事例はないが、今後この動きは加速するのだろうか。
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
10月下旬、なか卯での「床に置かれた食器」の写真がSNSで拡散された。その後のなか卯の対応が適切だったようには感じない。では、どのような対応が求められるのか?
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
「聖地巡礼に来ました」 なぜ、セブン‐イレブン津田沼店に全国から日本酒好きが集まるのか
日本酒好きから「聖地」と呼ばれている「セブン‐イレブン」が千葉県にある。どんな店なのか?

