ブラックサンダー頼みから脱却 第2の柱「ミルクマニア」、発売4カ月で600万本(2/5 ページ)
有楽製菓が第2の柱として注力する「ミルクマニア」の販売が好調だ。社内では長年「ブラックサンダーへの依存度が高い」という課題があったという。新ブランド開発の苦労を聞いた。
新ブランドの発想はどこから?
新ブランドの構想はどこから生まれたのか。さまざまなアイデアを検討したが、その中で「濃厚なミルク感」を打ち出す企画が形になっていったという。
その理由について、北島氏は「最近、素材を押し出した専門店が増えてきていると思います。ミルクは幅広い層に響く素材です。甘さや優しさ、濃厚感、全ての軸で多くの人がイメージしやすいです」と話す。
新ブランドは、あえてブラックサンダーの冠をつけない方針で考えた。ブラックサンダーの知名度を活用すれば、新商品の認知獲得はしやすい。だが、「手ごろな価格でジャンク感のある菓子」という既存イメージが、新たなブランドの価値形成を妨げてしまう可能性もある。そこで同社は既存ブランドの延長線上ではなく、別ブランドとして立ち上げる判断をした。
ブラックサンダーが「ザクザク感」「コスパ感」「満足感」を前面に打ち出しているのに対し、ミルクマニアは「濃厚なミルク感」「ご褒美(ほうび)感」を軸にしている。主要購買層も、ブラックサンダーは男性比率が約6割で、40代前後を中心に支持されているのに対して、ミルクマニアは30代前後の女性向けに設計。実際、ミルクマニア購入者の約6割が女性であり、ターゲット層に届いている。
パッケージも異なるデザインを採用した。北島氏は、ブラックサンダーが一部の女性から「夫や子どもが食べるもの」という印象を持たれているように感じていたという。
「ブラックサンダーの黒いパッケージや勢いのある表現は魅力的ではあるものの、女性視点では少し距離を感じている方もいるのではと考えていました。ミルクマニアでは、女性が『自分のための商品』として手に取りやすいよう、ミルク感が伝わる上品で落ち着いたデザインを意識しました」(北島氏)
商品の軸やパッケージデザインは順調に進んだが、生産現場に大きな課題が立ちはだかった。ブラックサンダーで培ってきた技術を活用しながらも、従来の開発ノウハウだけでは対応しきれない課題が多くあったのだ。
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