ブラックサンダー頼みから脱却 第2の柱「ミルクマニア」、発売4カ月で600万本(3/5 ページ)
有楽製菓が第2の柱として注力する「ミルクマニア」の販売が好調だ。社内では長年「ブラックサンダーへの依存度が高い」という課題があったという。新ブランド開発の苦労を聞いた。
ミルク感へのこだわり 製造現場で大きな課題に
同社がミルクマニアで目指したのは、「ただ甘いだけではない、ひと口目から分かる圧倒的なミルク感」だった。その実現に向け、噛んだ瞬間にミルクの香りとコクが広がる粉末原料を、通常の約5倍まで増量した。
しかし、この“ミルク感”へのこだわりは、製造現場では大きな課題にもなった。
粉末原料は、チョコレートに混ぜ込むと均一になじみにくく、固まりにくい特徴がある。さらに配合量を増やしたことで、クッキーなどの具材をまとめるチョコレートの役割が弱まり、生地がうまく固まらなくなった。冷却後に規定サイズへカットする工程でも型崩れしやすくなり、安定した生産が難しかったという。
それでも、粉末原料を投入するタイミングやチョコレートの温度、冷却工程や油脂の配合などを細かく調整。ブラックサンダーの新商品などでは試作回数が10回前後に収まるのに対し、ミルクマニアでは40回以上の試作を重ねた。その結果、ほろっと崩れながら、口の中でミルク感が広がる独特の食感が完成した。
ミルク感を追求した商品設計を実現できた背景には、新工場に導入した「個食ライン」の存在が大きい。
同ラインは、ブラックサンダーのようなバータイプ商品を高速かつ省人化して生産できる設備だ。形状や規格などの制約がある反面、高い生産効率を実現できる。その結果、製造コストを抑えながら、ミルク感を出す粉末原料にコストをかけることが可能になった。
ブランドは切り分けつつ、製造面では既存設備を活用する。ミルクマニアの開発では、ブラックサンダーとの差別化と生産効率を両立させた。
価格設定にも、その考え方は表れている。ブラックサンダーの約2倍となる86円という価格には、社内から「高いのではないか」という懸念の声もあった。しかし、原材料にコストをかけながらも100円未満に抑えることで、手に取りやすさと満足感の両立を狙った。
実際、2025年6月のテスト発売時にはSNS上で味わいへの好意的な反応が多く寄せられ、通年販売を後押しする材料になった。
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