明暗分かれた「無印良品」と「ニトリ」 2社の差はどこで生まれたのか(5/5 ページ)
好調な良品計画に対し、近年苦戦しているニトリHD。実はライバル関係にある2社の明暗が分かれた背景について解説する。
圧倒的な「ブランド力」の無印良品
無印良品は商品別の売上高を大まかに公表している。2025年8月期の実績では「衣類・雑貨」が36.4%を占め、家具や日用消耗品、化粧品などの「生活雑貨」が46.9%、「食品」が13.3%を占める。これらの商品のうち、食器類や家具、日用品雑貨、タオルなど布ものの一部がニトリと競合関係にある。
無印良品の成長が続くのは、その「ブランド力」が支持されているからだろう。無印良品は簡素で飾らないイメージを訴求している。バッグや貴金属などの高級ブランドとは対極の価値観だ。矛盾しているように聞こえるが、こうした高級ブランドへのアンチテーゼが、無印良品のブランド力を醸成しているのだ。
近年、消費者の間ではロゴ無し商品やユニクロのようなシンプルなデザインが支持されており、その潮流に乗ったと考えられる。中国でもかつては「高い割にシンプル」と否定的な消費者が多かったが、簡素な商品を求める志向が広がり、現在は若者を中心に支持を集めている。
ニトリは性能や安さが支持されているものの、無印良品ほどのブランド力はないように思える。中国でもECや現地企業を前に苦戦中だ。同じ白い皿を購入する場合、安さで選ぶならニトリ、デザイン性やイメージで選ぶなら無印良品ではないだろうか。
ニトリは近年、化粧品やレトルトカレーを販売するなど、非家具分野で無印良品と競合する商品を強化している。だが「安さ」以外のアピールポイントを生み出せない限り、無印良品のようなブランド力を獲得することは難しいだろう。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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