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EC化率「28%の英国」と「9.8%の日本」――約3倍差の正体は? 視察で見えた「本当の主役」 がっかりしないDX 小売業の新時代(3/5 ページ)

英国の小売EC化率は28%、一方日本の約9.8%──。この差を生む要因は?

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ネットで買って、自宅以外で受け取る「Click & Collect」が標準に

 英国の小売店舗に行くと、入口やサービスカウンター付近で「Click & Collect」の表記を頻繁に目にします。TescoやJohn Lewis、Next、M&S……業種・業態を問わず標準サービスとして掲示されている光景は、もはや英国小売りの日常風景です。

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英国大手アパレルPrimark店内のClick & Collect表示(2026年4月筆者撮影)

 本連載でたびたび取り上げているBOPISは「Buy Online, Pick-up In Store」の略です。文字通り、生活者がオンライン(ECサイトやアプリ)で注文・決済を済ませ、商品を実店舗で受け取る仕組みです。配送料がかからず、最短で当日受取が可能で、返品もその場で完結します。

 一方のClick & Collectは、言葉の定義上はBOPISより広い概念です。ネット(クリック)で注文して、自宅以外で受け取る(コレクト)購買形態なので、例えば日本でAmazonで買ったものをコンビニで受け取ったり、駅などのロッカーで受け取ったりするのもClick & Collectに含まれます。

 しかしながら、英国の小売店で「Click & Collect」と表示されているサービスの大半は、米国でBOPISと呼ばれるものと同一と考えて問題ありません。つまり「オンライン注文→(注文した企業の)店舗受取」が中核です。

 Mintelが公開した「UK Online Retailing: Delivery, Collection and Returns Market Report 2024」によれば、2023年に生活者が店頭で受け取ったオンライン注文の総額は226億ポンド(約4.9兆円)で、オンライン売り上げ全体の18.4%を占めたとされます。

 EC化率約28%にこの18.4%を乗じると、小売りにおける売り上げ全体の5%強がClick & Collectで売れている計算になります。

 自宅配送も店舗受け取りも選べるという自由度は、その企業で購買しようという意識を高めます。利便性において、ネット専業のAmazonやOcadoを上回るためにも、各実店舗小売業が注力しているわけです。

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