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「オンライン売上60%超」「Amazonより高く売らない」 英百貨店「ジョン・ルイス」の逆襲劇 がっかりしないDX 小売業の新時代(3/4 ページ)

英国の百貨店ブランド「John Lewis」をご存じだろうか。同社は「オンライン売上60%超」「Amazonと同価格」という、日本の百貨店業界では考えられない特徴を持つ。

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「百貨店だから高い」からの脱却

 JLP復活でもう一つ見逃せないのが、価格施策です。

 日本では、百貨店というと「高くても接客とブランドで売る場所」というイメージがまだ強いかもしれません。しかしJohn Lewisは、そこからかなり離れています。

 John Lewisは、2024年9月に「Never Knowingly Undersold」を現代版として復活させました。

 簡単にいえば「主要競合より高く売らない」という価格に関する約束です。1925年に始まったJohn Lewisの象徴的な価格方針ですが、いったん停止されていました。それを、AI時代に合わせて復活させたわけです。

 現代版では、AIを使って25の主要競合の店頭価格とオンライン価格を確認します。対象には、Apple、Argos、Boots、家電量販のCurrys、ホームウェアと家具のDunelm、食品小売り・アパレルのM&S、アパレルのNext、百貨店のSelfridgesなど主要な大手小売業と、Amazon、ファッションECのASOS、家電ECのAO.comといったネット通販が含まれます。

 Amazonについては、テクノロジー領域を対象とし、マーケットプレイス出品者ではなくAmazonが直接販売する商品に限って価格を合わせます。購入後7日以内に主要競合でより安い価格を見つけた場合、John Lewisは差額返金の対象にします。

 この取り組みは、集客にも効いています。JLPは、Never Knowingly Undersoldにより、検索経由だけで毎週10万件の追加訪問が生まれたと説明。同レポートでは、1年で30万件超の価格対応を店頭で行ったとも紹介されています。

 ここが非常に重要です。John Lewisは「百貨店だから高く売る」とは考えていません。価格はAmazon直販や主要チェーンと比較される前提に立っています。その上で、接客、保証、品ぞろえ、返品、受け取り利便性で顧客に選択肢を提供しているのです。

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