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トランプはなぜ「くら寿司USA」を買ったのか 背後にちらつく“エビ・サーモン争奪戦”スピン経済の歩き方(1/6 ページ)

トランプ米大統領によるくら寿司USA株の大量購入は、何かの間違いや単なる気まぐれではなく、米国の安全保障にかかわる非常に重要な事象ではないだろうか。なぜそう思うかというと……。

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スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。

 「生魚が嫌いで、日本に来たときもハンバーガーを食べていた人があり得ないでしょ」

 「似ている企業名のところと間違って買い注文しちゃったんじゃないの?」

 トランプ米大統領が、くら寿司の米国子会社「くら寿司USA(Kura Sushi USA)」の株を数百万ドル規模で大量購入していたことについて、「何かの間違いではないか」という憶測が広がっている。


「くら寿司USA(Kura Sushi USA)」(出典:公式Webサイト、以下同)

 というのも、トランプ氏は2020年の大統領選後に「フォーシーズンズで大規模な記者会見をやる」とSNSに投稿したが、実際は火葬場とアダルトショップに挟まれた小さな造園業者「フォーシーズンズ・トータル・ランドスケーピング」の駐車場で会見したという「珍事」がある。このときも「スタッフが高級ホテルと間違えて予約したのでは?」とかなりイジられた。

 そこで、今回もがん医療に注力する米バイオ医薬品企業「Kura Oncology」や、AIインフラ関連銘柄として世界的に注目を集める日本企業「フジクラ」の株を買おうとして間違って「Kura Sushi USA」に買い注文をしてしまったのではないか、という見方まで出ている。

 ただ、そう考えたほうがスッキリとするほど、今回の大量株取得はおかしい。トランプ大統領は、2026年1〜3月に約3600件の株式売買注文を出しているのだが、その多くはエヌビディア、アップル、アマゾンなどのハイテク企業、パランティア・テクノロジーズなどの防衛産業、そして製薬会社。「ザ・チーズケーキ・ファクトリー」や「デイブ&バスターズ」など外食企業もなくはないが、投資額の規模がまったく異なる。


くら寿司USAのメニュー

 くら寿司USAへの投資額は100万〜500万米ドル(約1億6000万〜8億円)の範囲だとされているが、この規模の投資先はボーイング、オラクル、アップルといった巨大企業ばかり。くら寿司には申し訳ないが、性格が大きく異なっている。「間違って買ったのでは」と考える人が多いのも当然だ。

 ただ、個人的には、くら寿司USA株の大量購入は何かの間違いや単なる気まぐれではないと思っている。近年のトランプ政権の動きを見れば、同社が米国のある安全保障政策で、非常に大きな役割を果たす企業であることは明らかだからだ。

 それは一体何かというと、「エビ・サーモン安全保障」である。

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