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来場者10年で10倍 Z世代を熱狂させる韓流イベント「KCON」の集客設計図は何がスゴい?(2/3 ページ)

韓流イベント「KCON」は日本初開催から10年で、来場者数は実に約10倍に膨れ上がっている。この爆発的な成長の裏には、どのような集客や顧客体験の設計図があるのか。主催する韓国CJ ENMのコンベンション事業部長に、その戦略を聞いた。

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3.6万円のチケットが「完売」 高付加価値体験がもたらすLTV向上

 一方、KCONの入場チケットは、最も高い券種で3万6900円と、18〜24歳にとっては高額だ。にもかかわらず、その券種は一般発売を待たずに完売した。高付加価値な体験を提供することで、LTV(顧客生涯価値)を高めている。

 高額券種以外にもさまざまなタイプを用意した。最も安価な3900円の券種は、午後3時以降に屋外・展示エリアである「FESTIVAL GROUNDS」に入場できるもの。 FESTIVAL GROUNDSと、主要アーティストが共演するメインステージ「M COUNTDOWN STAGE」を観覧できる「ALL ACCESS」チケットは、1万6900円に設定した。これを3日間分、1日ごとに販売するのである。

 「KCONでは、K-POPアーティストと間近でコミュニケーションが取れ、多彩なステージを通じてパフォーマンスを楽しめる環境を用意しています。午前10時から午後6時までさまざまなコンテンツを提供しており、多様なKトレンドを直接体験できる約300個のブースも訪れることができます。さらにブースを通じてサンプリングや試食、イベントといった体験型のプログラムを提供しているため、券種に限らずその価値は高く評価されています」


アーティストステージでのアーティスト「NiziU」によるパフォーマンス

デジタルとリアルをつなぐマルチプラットフォーム戦略

 日本は、世界第2位の音楽市場を有している。以前は韓国で売れ、日本に進出し、そこから世界へ進出するという流れがあった。パク事業部長によると、この流れが時代の移り変わりによって、徐々に変わってきているという。

 「コロナ禍以降、IT技術の発展により、世界中の人々がインターネットのプラットフォームを通じて、いろんなコンテンツに接する機会が増えました。アーティストのグローバル進出を考えたときに、まずは韓国で人気があることが必須です。一昔前は日本を経て、グローバル進出という流れもありましたが、今はその方程式は変わった気がしています」

 かつての「韓国から日本を経て世界へ」という流れは、デジタルの普及により「世界同時発信」へと変わってきている。その中で日本は、ファンの「一度好きになったら長く続く」という高い継続性を併せ持つ、世界で最も良質な「クオリティ証明の場」として定義されているという。

 日本市場は依然として重要だということだ。日本は韓国の2倍の人口を持ち、面積も広い。韓国には巨大ドーム施設が2つしかない一方、日本には全国各地に5つもある。

 「K-POPの歌手がグローバルツアーをするときは、必ず日本を入れます。市場自体が大きいので、韓国の歌手は必ず日本市場に進出したいと考えています」


レッドカーペットに登場した「JO1」

 M COUNTDOWN STAGEは、CJ ENMが運営するK-POPコンテンツプラットフォーム「Mnet Plus」を通じて、全世界に配信した。オフラインの体験を、デジタルでも露出することで世界的な規模にスケールさせるなど、映像の活用方法は日本の音楽業界も参考にできそうだ。

 動画配信企業(OTT)とも提携しており、それは単なる中継にとどまらない。今回日本では、U-NEXTがM COUNTDOWN STAGEや関連ステージを独占ライブ配信。Disney+(ディズニープラス)やABEMAもブース出展しており、韓国を代表する動画配信サービス「TVING」も、今年新設したK-STORYゾーンに「TVING K-Content Station」ブースを構え、Kコンテンツに関するイベントを開催していた。

 人気OTTサービスの出展や取り組みにより、パク事業部長は「オンライン(配信)とオフライン(会場)の相互送客が実現しています」と語る。会場に来られない潜在層をデジタル上のファン・コミュニティへと取り込み、次回の来場や物販購入へとつなげるサイクルを構築しているのだ。

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