「マグロより高いコーヒー豆」を落札し続けた、茨城の喫茶チェーン 倒産相次ぐ中で、年商25億円(2/7 ページ)
喫茶店の倒産が相次ぐ中、茨城発の「サザコーヒー」は世界最高級豆の落札や独自の店づくりで年商25億円規模へ成長した。東京進出や店づくりの戦略を取材した。
マグロより高くなった 20キロ9000万円のコーヒー豆
前述したように、サザコーヒーの特徴の一つに、個人経営のチェーン店でありながら、世界最高額で取引される「パナマ ゲイシャ」を長年にわたり落札してきたことが挙げられる。
「2009年から『パナマ ゲイシャ』をコーヒーオークションで落札してきました。しかし、近年は投機対象となり価格が暴騰しています。昨年、史上最高値で落札されたコーヒー豆は、1ロット(20キロ)で9000万円超。1キロで約453万円(※)です」(太郎氏、以下発言は同氏)
(※)当時の為替レート1ドル=約150円で換算。現時点(本稿執筆時の為替レート1ドル=約159円)で換算すると1ロットで約9600万円、1キロで同約480万円となる。
落札を続けた理由は、最高級のコーヒー豆をお客にも味わってもらうためだ。期間限定のイベントでは、落札したゲイシャコーヒーを来場客に500円で提供したこともある。
近年の高額落札について、太郎氏は次のように話した。
「毎年、マグロの初競りが話題になります。2019年に『すしざんまい』さんが約3億3000万円で落札した時は、1キロ約120万円でした(※)。ですが、最近はコーヒーの方が高いです。一昨年、当社が落札した『パナマ ゲイシャ』は、2ロット(40キロ)で約6400万円(1キロ当たり約160万円)でした」
(※)2026年の初競りで「すしざんまい」は5億1030万円(243キロの大間産マグロで、1キロ当たり210万円)の史上最高値で落札した。
ただ、昨年は途中で落札を断念した。「昨年は、一昨年の半分の20キロで9000万円超でした。その資金があれば、新店舗を2つオープンできると考え直しました」
落札のために用意した資金は「新店舗のオープンのほか、コーヒー豆の長期保存や店舗省人化のための設備投資に充てたい」と話す。豆の長期保存はすでに実施しており、1杯取りの「サザカップオン ドリップ」は、真空パックに閉じ込める独自の手法によって賞味期限を5年まで延ばした。これは、太郎氏が筑波大学大学院で研究した技術を応用して開発したものだ。
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