「新卒もシニアもいらない時代」は来るのか 採用と育成の前提が崩れ始めた背景(2/3 ページ)
AIの進化に伴い、新卒とシニアともに採用数の減少が進んでいる。しかし、AI時代の「新卒教育」という観点で見ると、シニアにとってチャンスが生まれ始めている。
新卒もシニアも「戦力」で選ばれる時代に
新卒採用の縮小と早期退職の拡大は、別々の動きではない。根は同じだ。
企業は「とりあえず採用する」「とりあえず引き止める」をやめようとしている。AIの進化によって、新卒が担ってきた定型業務の多くは代替可能になった。データ入力、定型レポートの作成、スケジュール管理、議事録の作成。こうした業務のために大量の新卒を採用する必要はなくなりつつある。
新卒採用で選ばれるのは、自分で考えて行動でき、人間力のある人材が中心になっていくだろう。大手企業が採用人数を絞れば、これまで採用に苦労していた中小企業にも人材が流れる可能性がある。ただし中小企業にも大量に受け入れる体力はないため、全体として新卒の入り口は狭まっていく。
シニアについても同じ構造といえる。年齢に関係なく、成果を出せる人材だけを残す方向に企業はかじを切っている。新卒採用でメンバーシップ型からジョブ型に移行しているように、定年後の再雇用でも専門性の有無が問われることは少なくない。
つまり、ジョブローテーションなどで複数の職種を数年単位で経験してきたジェネラリストのシニアは、今後厳しい立場に置かれやすい。
また、管理職も安泰とはいえない。管理職の仕事は大きく「進捗(しんちょく)管理」と「感情面のケア」の2つに分けられるが、前者はAIを活用し、「目標に対して行動量が足りていない場合、アラートを出す」などの設定をすれば、部下自身でも管理できる。
後者は人がやるべき仕事だ。しかし、部下の悩みを聞き、モチベーションを引き出し、チームの空気を作るという業務は、毎日発生するものではない。週1回の定期的なミーティングや日々の雑談で十分かもしれない。そう考えると、管理職に求められる役割も縮小していく可能性がある。
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