BeRealはNG、なのにAI議事録はスルー…… 日本企業が目を背ける情報漏えい対策の限界(1/5 ページ)
BeRealなどのSNSにおける情報漏えいが相次いでいる。AIの活用が急速に進み、さまざまなものを記録することが当たり前になりつつある今、企業はどうあるべきなのか?
西日本シティ銀行の行員がSNS「BeReal(ビーリアル)」に投稿した画像に顧客情報が写り込み、拡散されてしまうという事案が起こった。
これまでも、アルバイトが悪ふざけの動画を投稿して炎上する「バイトテロ」は問題視されてきた。しかし、今回の事案をそれらと同一視するのは危ない。
日常業務において、当然のように撮影や録音をする場面は増えており、今後こうした記録をきっかけとしたトラブルは増えていく可能性が高いからだ。
こうした記録と、企業は今後どのように向き合っていくべきなのだろうか。
「バイトテロ」では説明がつかない
金融・医療の現場でも、西日本シティ銀行のようなSNS投稿による情報流出が相次いでいる。
JCBの社員とされる人物が、社員証や社内資料とみられる画像やNTTドコモの社内基幹システム構成図とされる画像をInstagramに投稿し、それがXで拡散された。
医療現場でも、看護師が患者のカルテ画像を投稿した事案や、委託職員が患者20人分の情報を流出させた事案が発生している。西日本シティ銀行や医療機関は謝罪・対応に追われ、JCBについても事実関係を調査中と報じられている。
こうした一連の事案は、当初「バイトテロ」と同じ文脈で語られやすかった。しかし、今回の事案は当事者の顔ぶれが大きく異なる。銀行員、カード会社社員、看護師、委託職員。これらは「アルバイトの悪ふざけによる炎上」ではない。顧客・患者情報に日常的に接する業務現場で起きている点に、これまでの炎上との大きな違いがある。
西日本シティ銀行の村上英之頭取は、この問題を「個人の意識の低さではなく、組織の問題として重く受け止めている」と述べたことが報じられている。経営トップが、個人の落ち度として片付ける見方を否定しているのだ。
では、組織の何が機能していなかったのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
考えるSaaSは死に、SoRが生き残る──急成長中Sansan「Contract One」から読み解くリーガルテックの明暗
契約業務系のリーガルテックは、大きく分けて「契約レビュー」と「契約管理」の2つ。このうち、契約レビューは生成AIの影響が早期に表れたSaaS領域の一つだ。明暗を分けた線は、どこにあるのか。
もはや「カードの会社」ではない──「金利のある世界」で、クレディセゾンが選んだ戦い方 水野社長に聞く
「金利のある世界」で、預金を持たず市場から資金を調達するノンバンクはどう戦っていくのか。クレディセゾンの水野克己社長は「一長一短」と前置きしつつ、金利の復活を機会だと捉える。
マネーフォワードの銀行連携、再開率99%超でも「完全復旧」に至らないワケ
マネーフォワードは5月1日、ソフトウェア開発などに使うソースコード管理サービス「GitHub」への不正アクセスを公表し、同日、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」やクラウドサービスの銀行口座連携機能を停止した。復旧の最後の一歩が長引く理由は、マネーフォワードが銀行法上の「電子決済等代行業者」として連携機能を提供している点にある。
Vポイントは「一人負け」 PayPay先頭、楽天は「新規の定着に課題」……ポイント市場の地殻変動、勝ち抜くのは
日本のポイント市場で、メインで使われるポイントの入れ替わりが進んでいる。激化するポイント市場の地殻変動、勝ち抜くのはどのブランドか。
「100万円修行」の次は「5000万円預金」 三井住友カードが狙う“新富裕層”
三井住友カードが最上位カード「Olive Infinite」を投入した。条件を満たせば年会費9万9000円が無料になる異例の設計だ。背景には、決済競争から「預かり資産」獲得へ移る金融業界の新戦略がある。
