BeRealはNG、なのにAI議事録はスルー…… 日本企業が目を背ける情報漏えい対策の限界(3/5 ページ)
BeRealなどのSNSにおける情報漏えいが相次いでいる。AIの活用が急速に進み、さまざまなものを記録することが当たり前になりつつある今、企業はどうあるべきなのか?
「内輪感」に安心した結果……
BeRealは、通知後2分以内の撮影・投稿を促す設計になっている。前面と背面のカメラが同時に作動し、自分の顔と目の前の風景が一枚に収まる。撮るかどうかを考え、背景を確かめる余裕はほとんどない。
渡辺氏は、今回の事案を悪意ある漏えいとは区別しており、「気付いたら炎上していたという感覚だろう」と話す。机の上の書類や、ホワイトボードに残った顧客名が、知らず知らずのうちに写り込む。意図的な違反というより、「通知が来たら投稿する」という無意識の反射行動が招いた結果と言える。
こうした行動は、とりわけ新入社員に起きやすい。特定社会保険労務士であるKiteRaの小林眞理氏は、「新卒の人たちは、学生時代にSNSを制限なく使っている。そのため社会人になっても学生時代の使い方が抜けきらないことが多い」と話す。
もちろん、危ないのはBeRealだけではない。投稿先がLINEであろうとBeRealであろうと、職場の情報を外に出してはならないことに変わりはない。
BeRealが投稿への警戒感を鈍らせるのは、その「内輪感」にも原因がある。「友人しか見ていない」という安心感から気軽に投稿してしまう人も多い。しかし、見ているのは「友人だけ」という保証はない。友人の友人に広がることがあり、後から公開範囲を変更できる。また、限定公開のつもりでも、誰かがスクリーンショットを撮って外に出してしまうこともある。実際、医療機関の事案では、限定公開の投稿が第三者のアカウントを通じて発覚している。
BeRealだけが特異なわけではない。考える前に撮ってしまうこと、限定公開が簡単に破られることは、どんな撮影にも当てはまる。BeRealが、その職場に元々あった撮影統制の甘さを、あぶり出してしまったにすぎないのである。
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