狭くても「生産性」「快適さ」は上がる──イトーキが実践する“データドリブン“なオフィス作り(2/2 ページ)
オフィス家具大手のイトーキは6月11日、本社12階フロア(約2700平方メートル)を4年ぶりにリニューアルしたと発表した。これまでのオフィスリニューアルの「作って完成」というやり方ではなく、オフィス利用に関するさまざまなデータを収集、分析し、その時の働き方に最適な環境に「チューンナップ」し続けるオフィスを目指す。
チームメンバーの気配を感じられる設計
この分析結果をもとに、イトーキは本社12階の約2700平方メートルをリニューアルした。
リニューアルの目玉の一つが、フロア内に6カ所新設した「Team Co-work Zone」(チームコワークゾーン)だ。大型テーブルだけでなく、窓際のカウンター席やソファ席を配置し、最大16人がチーム単位で利用できる。全員が同じテーブルに座るのではなく、個々の作業をしながらもチームメンバーの気配を感じられる設計とした。
フロアの中央部には、見通しの良い「Open Work Area」(オープンワークエリア)を配置した。他部署のメンバーとの自然な交流の創出を図る。また、食事や休憩を取りやすい場所として「Commons Terrace」(コモンズテラス)を用意した。
AIとセンサーによる効率的な「運用」
今回のリニューアルでは、ハード(空間)の刷新にとどまらず、テクノロジー活用にも注力している。
限られたオフィスフロアの運用には、効率的な場所の使い方が不可欠だ。そこで、チェアや机にセンサーデバイスを組み込んだ。内蔵されたセンサーが利用者の不在を検知すると、予約されていても使用されていないスペースを、自動でシステム上に解放するか確認する通知を出す。こうすることで、利用されていない無駄なスペースを極限まで減らし、効率的な利用が可能となる。
会議室などを予約する際は「今から30分後に3人で会議がしたい」とチャットで要望を伝えるだけで、AIが最適な空きスペースを即座に提案・確保する。予約の手間を省く効果もある。
オフィスは「チューンナップ」する時代へ
コロナ前まで、企業はオフィス作り=コストがかかるものだと捉えていた。アフターコロナでは、オフィスは投資するものとの認識に変化している。
オフィスへの認識が変わる一方で、オフィスの作り方は「立派なものを作って完成」という従来通りの方法が採用され続けている。働き方の変化を示すデータを絶えず収集、分析し、チューンナップし続ける方法が、制約ある環境下でも成果を生み出し続ける次世代のオフィス戦略といえるだろう。
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