給料が上がるのは“転職しない人”だった? 静かに進む「とどまる」異変(2/4 ページ)
転職によるキャリアアップが一般化する中、「ビッグステイ」と呼ばれる変化が注目されている。転職よりも現職にとどまることで賃金が上がる可能性が高まる現象だ。日本でも広がる兆しはあるのか、企業の見方や実態を整理する。
日本にはまだ来ていない?
では、日本ではどうか。マイナビが企業の採用担当者に実施した調査によると、「日本でもビッグステイが来ると思う」が84.8%に上り、「3年以内に来ると思う」も52.0%と半数を超えた。多くの企業が、変化が間近に迫っていると捉えている。
なぜ、これほど多くの企業がビッグステイの到来を見込むのか。それは、採用と定着の難しさが背景にあるようだ。中途市場で募集しても優秀な人材を採用できるとは限らず、採用できたとしても定着してもらえなければ困る。そうした課題感が、先行きの予測につながっている。
ただし、米国と全く同じ状況は、まだ起きていないようだ。転職で賃金が上がりやすい状況は続いており、厚生労働省の雇用動向調査を見ると、2024年に転職して賃金が増えた人の割合は40.5%で、減った人の29.4%を11.1ポイント上回った。
一方で、人の動きそのものは鈍くなり始めている。同じ調査では、新しく働き始めた入職率が14.8%、離職率が14.2%と、いずれも前年から1ポイント超の低下。転職入職率も9.7%と前年を0.7ポイント下回っている。
総務省の労働力調査でも、2025年の転職者数は330万人と前年から1万人減り、4年ぶりの減少に転じた。一方で、転職を希望する人は1023万人と前年から23万人増えている。転職したい人は増えているのに、実際に動く人は減り始めている。賃金は上がりやすいものの、人の動きは鈍り始めているとも読みとれる。
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