インタビュー
給料が上がるのは“転職しない人”だった? 静かに進む「とどまる」異変(3/4 ページ)
転職によるキャリアアップが一般化する中、「ビッグステイ」と呼ばれる変化が注目されている。転職よりも現職にとどまることで賃金が上がる可能性が高まる現象だ。日本でも広がる兆しはあるのか、企業の見方や実態を整理する。
予測と実態は矛盾しないのか
足元では転職による賃上げが続いており、企業の予測と食い違っているようにも見える。この点について、関根氏は「足元の状況と企業の見通しは、見ている時間軸が異なる。必ずしも矛盾しているわけではない」と説明する。
ビッグステイの到来を見極めるには、人が動きにくくなっているか、転職で賃金が上がるか、企業が採用より定着を重視し始めているか。複数の指標を組み合わせて読み解く必要がある。足元のデータは、ビッグステイが「来た」とも「まだ来ていない」とも言い切れない過渡期にあるといえる。
また、企業の予測には、ある傾向もみられた。2025年に賃上げした企業では「ビッグステイが来ると思う」が88.3%に上り、賃上げしていない企業(69.4%)を約20ポイント上回った。2025年、2026年と連続で賃上げを予定する企業では91.0%に達する。
なぜ予測が分かれたのか。採用と定着の難しさを強く感じている賃上げ企業ほど、その実感が「ビッグステイが来る」という予測につながっている。賃上げをした以上、人材に定着してほしいという企業の期待が背景にあるという。
同調査では、人材の課題として「定着」を挙げた企業が50.9%で、「新規人材の確保」の25.8%を大きく上回った。賃上げの狙いが、新規採用の競争力から既存人材の引きとめへと広がりつつあるようだ。
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