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給料が上がるのは“転職しない人”だった? 静かに進む「とどまる」異変(4/4 ページ)

転職によるキャリアアップが一般化する中、「ビッグステイ」と呼ばれる変化が注目されている。転職よりも現職にとどまることで賃金が上がる可能性が高まる現象だ。日本でも広がる兆しはあるのか、企業の見方や実態を整理する。

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日本で広がるなら?

 では、日本で広がるとすればどんな形か。米国は労働市場の冷え込みが起点だったが、関根氏は日本では3つの構造的要因が背景になるとみる。1つ目は、解雇規制や長期雇用を前提とした雇用慣行だ。企業は人を手放しにくく、個人も長く働くことを前提としているため、もともと労働移動が起きにくい。

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日本でも広がるか(画像はイメージ、提供:写真AC)

 2つ目は市場構造で、日本には米国のGAFAMのような巨大テック企業がない。特定産業の過熱と調整が市場全体に波及する米国と違い、労働市場の流動化は徐々に鈍化する形になりやすいという。

 3つ目は意識面だ。日本では市場評価よりも、社内での処遇や人間関係を重視する傾向が強く、自由回答にも「もともと日本人は転職に消極的」という声が寄せられた。

 なお、到来予測は業種によっても差が出た。最も高かったのは「金融・保険・コンサルティング」で96.5%だった。

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業種別で到来予測が最も高かったのは「金融・保険・コンサルティング」

 ビッグステイが広がれば、引きとめや学び直しの支援で人材をつなぎとめ、育てる投資の重みが増す。調査でも、リスキリングを含む教育費に投資した企業は83.5%に上った。

 しかし、働く個人にとっては、とどまることで必ず処遇が上がるとは限らない。「大切なのは、転職するかとどまるかという選択よりも、どちらでも選べる状態を自分で作っておくことだ」と関根氏は語る。

 ネット上では「日本はもともとビッグステイではないか」という声もあるが、日本では独自の形で広がる可能性もある。転職したほうが得な人もいれば、とどまったほうが得な人もいる。どちらが正解とも言えない中で、自らの選択肢をどう持つかが問われている。

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